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デジタルサイネージってどうだろう!?成功事例を読んで考える

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先日ITメディア 『BusinessMedia誠』にて、『地方都市・長崎で意外な成功!?
――駅前デジタルサイネージ「ナビタッチ」の可能性』
という記事にて、
デジタルサイネージに関する成功事例が掲載されていた。

記事では、JR長崎駅に設置したナビタッチが利用が進んでいるとのことであった。
デジタルサイネージに関するビジネスは注目されつつも、具体的に成功した事例は
あまり耳にしない。今回の成功事例は広告のターゲットとターゲットに対する
広告の訴求方法が上手くマッチした事例であると大変興味を持った。

【デジタルサイネージの課題】

デジタルサイネージのビジネス展開を考えた際に、以下の課題をいかに克服させるか
が重要になる。

① デジタルサイネージ自体を認知させる仕組みを作る。
② デジタルサイネージでどのような広告/コンテンツが流れているか理解させる
  仕組みを作る。
③ デジタルサイネージの広告/コンテンツを利用させるための行動を喚起させる
   仕組みを作る。

デジタルサイネージを展開するにあたって、①、②、③の事項は成功のカギであると
同時に、障壁でもある。

例えば、②の広告/コンテンツ理解に関して矢野経済研究所の公表資料に興味深い
データがあった。デジタルサイネージのコンテンツまで理解していると回答した
対象者は、ほとんどの接触場所で10%未満であった(参考データ)。
 つまり、ほとんどの人がコンテンツ内容の理解はもとより、認知すらできていない
事を示している。
自身もデジタルサイネージ広告が溢れている渋谷駅周辺で、意識して広告を見た
記憶はないし、『インパクトのある広告は何?』と聞かれても答えに窮してしまう。

①のデジタルサイネージ自体の認知も大きな課題になる。

具体的に根拠となる調査データはないものの、日常生活を送る上で
デジタルサイネージを含めて様々な広告/コンテンツに気づかぬうちに接触している。
 『屋外広告』という切り口だけでみても、たとえば家に出てから会社に出社するまで、
注意して観察してみたところ、実際数十以上の広告に接触していた。
 
①、②の出現率が少なければ、デジタルサイネージ閲覧後に実際になんらかの行動に
出る人の出現率はより少なくなる。

上記事項を鑑みると、デジタルサイネージは最近注目される広告の一つであるが、
実際のビジネスに落とし込んだ場合、多くの障壁があると言える。

【JR長崎駅の事例に見る面白さ】

デジタルサイネージのビジネスを展開するにあたり、解決させる課題は多いが、
JR長崎の事例は先に紹介した①、②、③の課題を解決のための仕組みが多くある点に
注目したい。

JR長崎のデジタルサイネージの特徴と流れは以下の通りである。

■ 特徴

● 観光客をターゲットとしている
● 観光客が多く訪れるであろう地方ターミナル駅にデジタルサイネージを設置して
  いる。
● 提供するコンテンツは長崎の地域情報/地図情報
● デジタルサイネージのコンテンツを携帯電話に落とし込み、すぐに利用できる。

■ 流れ

1.長崎に到着した観光客に対して、2.携帯電話へダウンロード可能な情報コンテンツ
(広告含む)を地域周辺情報と一緒に、4.駅にて、5.その場でコンテンツを提供する。

上記事例は、ターゲットとターゲットに対するアプローチ、利用までの流れがシンプル、
かつ明確であったことが成功に結びついたのではないだろうか。

デジタルサイネージありきではなく、提供するコンテンツを上手くターゲットにリーチ
させるための一つの手段として、デジタルサイネージを利用することが成功につながった
のではないだろうか?

ターゲットとマーケティング課題を整理すること、デジタルサイネージの成功のカギは
シンプルなのかも
しれない。

PS.個人的にローカル検索的なサービスとデジタルサイネージのビジネスモデルの組み
合わせは親和性  があるように感じているのですが、いかがでしょうか。

参考資料

● 矢野経済研究所:デジタルサイネージに関する意識調査

● ITメディア:BusinessMedia誠
       『地方都市・長崎で意外な成功!?――駅前デジタルサイネージ「ナビタッチ」の可能性』

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