本日(5/10)、子ども・子育て支援法案(3法案)が審議入り
昨日は社会保障と税の一体改革の「子ども・子育て新システム」の記事を書いたが、いよいよ本日、子ども・子育てシステム関連3法案、「子ども・子育て支援法案」「総合こども園法案」「関係法律の関係整備法案」が国会衆院本会議で審議入りする。共産党や公明党を初めとする与党からは様々な突っ込みが予想されるが、すべての子育て支援に係る人達の想いは、すべての子どもの幸せ(=親の幸せ)を保障することであることを願ってやまないし、2015年(平成27年)を目途になんて悠長なことを言わずに、なるべく早くよりよい制度を実現してもらいたいと考えている。
さて、今回の3法案のうち、特に注目されるのが「総合こども園法案」だ。
自民党時代にも、認定こども園という幼保一体化に向けた制度があったが、では、今回の総合こども園とは何が違うのか?
正直なところ、実体としてはそんなに変わらないというのが事実に近いだろう。
当初、所管は厚生労働省、文部科学省から、子ども家庭省を新設して一元化するなんていう案もあったが、結局は給付を一元化するのみで、厚労省、文科省に内閣府が加わって二元から三元化してしまった感もある。
また、全ての保育園(保育所)、幼稚園が総合こども園に移行するかといえばそうではなく、移行しなくては補助金がもらえなくなってしまう保育所はともかくとして、私学助成だけでやっていける私立の幼稚園(学校法人)の中には移行しないところも出てくるだろう。
しかも、幼稚園に保育機能をもたせ、待機児童が多い1-2歳児の受け入れキャパを一気に増やすということが新システムの目的のひとつだったとの認識を持っているが、こちらも、義務化は見送られ、財政的な措置で移行、受け入れを促すといったような、ちょっと既事業者に配慮した、ある意味中途半端なものになってしまった。
また、現行の保育所は、各基礎自治体が自治体に居住する、家庭での保育に欠ける児童の、保護者の就業状況や家庭状況などから必要性を判断し、受け入れる施設を割り振っていたが、新システムでは、居住する自治体に限らず、近接の自治体の施設であっても保護者自らが施設と契約する直接契約(公的契約)が可能になる予定だ。
また、認可から指定制になり、ある程度の客観的な指標を満たせば、国から財政的措置が得られるようになり、株式会社やNPOなどの参入が進むとも言われている。
まだまだ批判は多いものの、ワーキングチームや検討会議に参加しているメンバーの方の議論を公聴している限りは、皆さん真剣に子どものことを考えて、この結論を出したのだろうと考えている。平成27年までにというのは拙速すぎると言う人もいるが、例えばうちの娘は2歳で、3年後はもう5歳、1年制度が遅れれば、新システムとはあまり関係なく(放課後児童クラブなども新システムの範囲内ではあるが)、小学校に入学である。うちの娘のために早くというわけではないが、ヒトが愛の営みをしたり、子どもを産んだりすることに国会がブレーキをかけるようなことはしてほしくない。小さな問題はたくさんあるかもしれないが、安心安全、命の危険が無い範囲であれば、それは走りながらでも修正は可能だ。就職氷河期が多くの会社に今でも残るようなひずみを残したように、今、まさに今すぐに対応をしなければ、将来の社会にひずみを残すようなことにもなりかねない。
国会議員の方には、与党、野党を問わず、自分の支持者(団体)だけではなく、子どもと家族の笑顔を作るにはどうしたらよいかということを、前向きに議論、検討してもらいたいものである。