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【シーズン1 第7話】マーケティングオートメーションを知る簡単な方法「紺屋の紺袴」

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 2015年、マーケティングオートメーションがブームになりました。象徴的なセミナーは2月に行われた「Marketo Summit Japan 2015」で、800名ほどの募集に対し1,300名が集まり、マーケティングオートメーションは幸先の良いものになりました。今回はその参加者としての体験談です。

 このような大規模なセミナーにスポンサーとして参画すると、例えば、プラチナスポンサーは申し込み参加者のすべてのリスト、各スポンサーは講演コマの参加者のリストなどが入手できます。セミナー後にこれらのリストを使った見込み客マーケティング(リードマネジメント)が行われるのですが、大抵は一斉配信メールでプライベートセミナーに誘導したり、動画を見せたり、アウトバウンドコール(電話がかかってくる)があったりします。

 今回の「Marketo Summit Japan 2015」でも同じようにセミナー後のフォローが行われましたが、スポンサー各社がMarketoのパートナーであるため、Marketoを使い参加者の私に対してリードマネジメントしてきましたので、3社を比較しながらマーケティングオートメーションを考察してみましょう。

【A社】お礼メールを一斉で流し、プライベートセミナーへ誘導
【B社】セミナー動画を前編、後編に分けて配信⇒閲覧確認
     ⇒アウトバンドコールで見込み角度確認
【C社】時には英語、時には日本語のメール配信で資料Downloadへ誘導

 A社はMarketoを使っているのでしょうが、マーケティングオートメーションとして使っているというよりメール配信ツールとして活用している感じです。B社はそれなりにシナリオが設計されており、インサイドセールスからの電話で見込み角度を探ってきました。C社は急いでシナリオを作ったのでしょうか、英語だったり日本語だったりと、雑なコンテンツがメール爆弾のようにどんどん送られてきます(自動化マーケティングの将来口数ばかり多い無能ソフト/アプリケーション/サービスへと頽落した)。

 3社とも同じMarketoというマーケティングオートメーションツールを使っているにも関わらず、リードマネジメントに対して全然違った印象を受けてしまったのです。A社はシナリオ設計ができるのかどうか疑問を感じますし、C社は日本人がシナリオ設計していないのでは、と感じてしまいます。これほどはっきり違うと、コストは別にして、仕事を頼むならB社という気持ちになってしまいます。

 別のマーケティングオートメーションツールのベンダーに、ユーザーニードの相談に訪れたとき、ランディングページのA/Bテストの機能はどうなっているのか、動的配信CMSのURLはどうLinkするのか、マーケティングオートメーションのトラッキングコードをどう埋め込めばいいのか、などの基本的な質問をしました。すると「部門が違うので分からない」という答えで、それ以来何の音沙汰もありません。

 また、別のマーケティングオートメーションツールのベンダーでは、戦略設計の方法(簡易的なペルソナとカスタマージャーニーとマーケティングオートメーションの関連)などを質問したら、実務経験があるためかスムースに答えていただきました。

 この3つの出来事をまとめると、マーケティングオートメーションを知る簡単な方法が見えてきます。

 ユーザーがITツールを導入するときに機能を追うことは間違いではありませんが、それに加え、①自らがリードになってみること、②導入される顧客のIT環境との連携を想定してみること、③導入する側になってみること、と3つの立場に自分をデセンターしてみることが重要なのです。

①MAでリードマネジメントされたときのCustomer Experienceの確認
②MAを購入し活用するユーザーのIT環境との連携方法などの確認
③MAを導入するベンダー/パートナーの経験値の確認

 マーケティングテクノロジストとしては、①がGoodでも②の連携が分からなければ活用しきれないのでBad、①②がGoodでも③の経験値がなければ顧客創造(Create a Customer)プロセスの価値共有が難しいのでBad。したがって、①②③の「三方Good」を見つけ出すことが成功につながる、ということになります。

 まずは、①の「紺屋の紺袴」を比較体験するため、ある程度の個人情報をGiveする必要はありますが、MAベンダー/パートナーに問い合わせをしたりセミナーに参加する。あるいは、そのMAベンダー/パートナーが発表している事例企業のリードとなってみることからはじめてみましょう(シナリオ設計によりますが、一定期間レスポンスをしなければそのうちリードから消え去る)。

 「私」というリードを、いかにリードマネジメント(Nurturing)するかを注意深く見極めると、前述の3社のようにMAに対する考え方の違いが見えてきます(Take)。ま
た、自社のリードマネジメントのCustomer Experienceに力点を置くことをTactics(オム二チャネルのひとつ)としている企業は、顧客創造(Create a Customer)プロセスの価値共有ができる可能性が高いのではないでしょうか。

● 雑談のネタ【Coffee Break】
https://blogsmt.itmedia.co.jp/CMT/coffee-break/

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