ここ数年の日本における私の一般的な経験で思うのは、日本企業は、米国の確立された伝統的な企業をしばしば彷彿とさせてくれます。そこには共通点があるのです。
先ずは、技術に関してはリスクを取るのを恐れているということです。そして、伝統的なリーダー、あまり革新的でないリーダーというのは、より良いサービスの提供というよりは、コストの削減に集中しているということです。彼らはコスト削減を優先するあまり、既存のサービスの水準まで落としてしまっています。
伝統的な市場における伝統的な思考のリーダーの場合は、自分たちの戦略を立案して意思決定するというよりは、ほかの企業の戦略を後追いする傾向があります。
しかし、そうした伝統的なところと比較して、楽天、東京工業大学などでは、ITリーダーらがリスクを取る傾向が見られます。彼らは先ず、サービスを提供することを優先して考えています。もちろんコスト削減にも配慮していますが、あくまでも2次的なものとして捉えていると思います。彼らがコスト削減を考える場合は、サービスの水準を維持しながら、よりコストを削減する方策を見出そうとしているのです。
そして、やはり典型的な新しいITリーダーは、ほかの人の戦略を後追いするのではなく、独自の戦略に基づいて意思決定しているということです。
いずれにせよ、米国においても日本においても、古い考え方をする人もいれば、新しい考え方をする人もいます。国による違いではありません。
共通点として見られるのは、オープンプラットフォームを使おうとしてること、きちんとしたサービスの提供を第一に考えていること、競合が激しい中にあっても自社の顧客のための戦略を立案しており、決して後追いではないということです。