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本日最終回を迎えた日経新聞の『私の履歴書』の鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス会長の連載で、「消費は経済学ではなく心理学」という氏の持論が紹介されていました。以前から同グループのIT戦略の根本でもある「仮説と検証」、「単品管理」といった経営の考え方に非常に興味がありましたが、この連載を通して、鈴木氏はつくづく心理学者だなぁ、と感じていたところ、持論を知って、やっぱり…という気がしました。
私の大好きな映画のひとつに『ハスラー2』という20年ほど前の作品があります。かつてハスラーとして名を馳せた老境の男が、昔の自分を彷彿とさせる才能溢れる息子のような年齢の若い男に出会って技術と生きざまを伝授していくうちに、自らもまたハスラーとしてのプライドと闘争心を取り戻していくという話ですが、その中で老境の男が若い男に「名プレイヤーには腕だけでなく、心を見る目が必要だ」と言います。印象深い言葉ですが、これもまさしく心理学。まぁポール・ニューマンが言うからカッコいいんですが。
ここ5年ほどでしょうか、取材をすればするほど、どんな分野でも大事なのは心理学だと思うようになりました。それは経営者であれ、消費者であれ、アーティストであれ、アスリートであれ…、根本にあるものは変わらないような気がします。ただ、取材および文章表現で難しいのは、ともすれば“浪花節”だけになりがちなことです。
野球でいえば、楽天の野村監督や中日の落合監督、はたまたマリナーズのイチローのように、心理に基づいた問題意識やその解決法をどうロジカルに表現するか。誰が言っていたかは忘れましたが、「人間も社会も、“情”と通すために“理”がある」ということをうまく表現していきたいものです。
そして、そんな世界と対極にあるとみられているITをどう融合させていけるか、を考えていきたいと思っています。
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