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上の図は、米国の調査会社MOTISTAが公開した、消費者の小売業者に対する感情が、実際の購買にどう影響するかを調査した結果を抜粋したものである。この調査では、自分の好きな小売業者に特別な良い感情を抱いているコンシューマー(ここではエモーショナル・ファンとする)と、小売事業者に対して単なる親しみや満足感を抱いている普通のコンシューマー(ここでは普通のファンとする)の小売事業者に対する行動の違いを分析している。では、早速その違いを見てみることにしよう。

※ 情報ソース ⇒ MOTISTA Press Releases

■ エモーショナル・ファンは好きなブランドに対して普通のファンよりも貢献する

数字を見てもらえれば明らかなように、エモーショナル・ファンは、普通のファンに比べて自分の好きなブランドに対する貢献度がかなり高い。

① 気に入ったブランドを最優先する

エモーショナル・ファンは、自分の好きなブランドを何よりも優先して購入する割合が普通のファンに比べて4倍も多い。つまり、エモーショナル・ファンは、一度好きになったブランドに対して忠誠心が高く、浮気をする確率が低いということになる。エモーショナル・ファンは、自分の好きなブランドに対する思い入れや感情移入が高く、ある意味盲目的なところがあると言っていいだろう。

② 気に入ったブランドの情報を進んで受け入れる

エモーショナル・ファンは、自分の好きなブランドからの情報を喜んで受け入る。そのため、ブランドが送るダイレクトメールに対する反応が、普通のファンに比べて2倍も多い。エモーショナル・ファンは、自分が好きなブランドの情報なら何でも知りたいという欲求が強い。よって、好きなブランドからのパーミッションは、優先して許可する傾向がある。

③ 気に入ったブランを他人に推薦する

エモーショナル・ファンは、自分の好きなブランドを購入することを他人に薦める。その割合は、普通のファンに比べて50%以上も高い。エモーショナル・ファンは、自分の好きなブランドを家族や友人にも好きになってもらいたいという欲求が強い。よって、他人に好きなブランドのことを好んで語ろうとする。エモーショナル・ファンは、ブランドの代わりに、宣伝担当と営業担当の役目を担ってくれる。

以上が、エモーショナル・ファンが見せる特に顕著な貢献ポイントだ。他にもまだあるので、ついでに紹介しておきたい。

④ モバイルから購入することを好む

エモーショナル・ファンは、自分の好きなブランドをモバイルを使って購入する割合が、普通のファンに比べて20倍も高い。この数字は、エモーショナル・ファンが、普通のファンに比べて自分が好きなブランドの商品を必ず手に入れたいとい欲求が強いということを表しているのではないだろうか。すぐに商品を手に入れたいので、モバイルで購入する確率が高くなるというわけだ。

⑤ ソーシャルメディアをよく利用する

エモーショナル・ファンは、自分の好きなブランドをソーシャルメディアでフォローする確率が普通のファンに比べて3倍も高い。この数字は、エモーショナル・ファンが、普通のファンに比べて、ソーシャルメディア上で他のファンと一緒に交流することを好むということを表している。エモーショナル・ファンは、ソーシャルメディア上で、自分が好きなブランドについて情報交換することが好きなのだ。

以上の結果から、エモーショナル・ファンは、普通のファンに比べてブランドに対する貢献度が圧倒的に高いということがわかる。では、エモーショナル・ファンとはどういった特長を持っているのだろうか。エモーショナル・ファンの特長についてもう少し詳しく説明したい。

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※ 情報ソース ⇒ MOTISTA BLIG

■ エモーショナル・ファンとは

誰にでも、お気に入りの店やブランドが1つか2つはあるはずだ。何があってもその店(ブランド)でしか買わないという、熱狂的にのめり込んでしまっている店(ブランド)。洋服、車、ビールやたばこ、コンビニエンスストア、バーと、店やブランドは何でもいい。たとえば、家や会社の近所にコンビニがあるとして、多少遠くても必ず自分の好きなコンビニで買い物をするとか、同じデザイン・素材を使った洋服を、多少価格が高くても自分の好きな店(ブランド)で買うとか、そのくらい好きでたまらない店(ブランド)を持っていないだろうか。

もしも、そこまで好きな店(ブランド)を持っているとしたら、あなたはその店(ブランド)にとってのエモーショナル・ファンということになる。エモーショナル・ファンとは、ある特定のブランドに対して、親しみとか満足とかいったものを超越した、特別な感情(エモーション)を抱いているファンのことを指す。エモーショナル・ファンは、その特別は感情を抱いているブランドの商品を優先して購入するのはもちろん、知り合いにそのブランドの魅力を熱く語ろうとする。つまり、前回の記事で紹介したスーパーファンこそが、エモーショナル・ファンということになる。

エモーショナル・ファンがブランドに抱く感情は様々だ。共感、信頼、愛情、安心、好意、期待、尊敬など。ただ、全てに共通して言えることは、その全ての感情に対して熱狂的であるということだ。熱狂的な感情を抱いているからこそ、エモーショナル・ファンは、特別な感情を抱いているブランドについて語りたくてしかたがないのである。

以下は、私が考えるエモーショナル・ファンが特別な感情を抱いているブランドに対して取る行動パターンだ。

 ● エモーショナル・ファンがとる行動パターン

   ① 何があってもそのブランド(店)から購入する

   ② 親・兄弟・友達にそのブランド(店)から購入することを薦める

   ③ ウェブやソーシャルメディアでそのブランド(店)に関する情報を何でも集める
   ④ そのブランド(店)が発信する情報(メールなど)を全て許可する

   ⑤ そのブランドの成功を心の底から願っている

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エモーショナル・ファンは、先にも触れた通りソーシャルコマースにおけるスーパーファンと同じ存在だ。役割もソーシャルコマースににおけるスーパーファンと同様、他のファンに対して、ブランドの商品を購入することを積極的に薦めてくれる。「いいね!」、「コメント」、「シェア」の数を増やすことに相当な貢献をしてくれる。つまり、ソーシャルコマースの成功に欠かせない、エンゲージメントを増やすことに貢献してくれるのである。

エモーショナル・ファンは、普通のファンからの信頼度が高い。よって、エモーショナル・ファンのエンゲージメントは、普通のファンのエンゲージメントの何倍もの効果がある。普通のファンが実行するエンゲージメントとエモーショナル・ファンが実行するエンゲージメントでは、その重みが全く違うのである。ファンやまだファンになっていないファン予備軍に与える影響度合いが、エモーショナル・ファンの方が圧倒的に大きいと言える。

■ エモーショナルなトリガーとして最適なソーシャルビデオ

では、普通のファンをエモーショナル・ファンに変えるためのトリガーとは一体何だろうか。あるいは、エモーショナル・ファンと効果的なエンゲージメントを継続するためには、どんな仕組みが必要なのだろうか。コミュニケーションやインセンティブなども考えられるが、エモーショナルなトリガーを期待するのであれば、私はソーシャルビデオが一番効果が高いと考えている。

実際、米国の最近の事例を見ていると、ほとんどのフェイスブックファンページとフェイスブックストアが、ソーシャルビデオを自分のページ内に用意している。むしろ、ソーシャルビデオのないフェイスブックファンページとフェイスブックストアを見つけるのが難しいくらいだ。それほどまでに、フェイスブック内にソーシャルビデオは普及している。
フェイスブック内でソーシャルビデオの人気が高い理由もいくつか考えられる。例えば、ライバルのブランドがソーシャルビデオを導入しているからとか、フェイスブックのエッジランクがビデオを高く評価するからとかいうようなもの。しかし、もっと大切な理由があると私は考えている。それは、先に述べたように、エモーショナルなトリガーとしてソーシャルビデオが最適なコンテンツだからである。

なぜソーシャルビデオがエモーショナルなトリガーとして最適なのか、その理由については次回明らかにしたい。

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プロフィール

伊藤 靖

伊藤 靖

株式会社リトルウイングス代表取締役。
青森県弘前市出身。大田区蒲田在住。
企業のメディア戦略、コンテンツ戦略、モバイル戦略の構築と実行をサポートするサービスを提供しています。

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