« 2011年7月7日

2011年7月8日の投稿

2011年7月12日 »

Visible Measuresから、2011年6月27日~7月3日までのバイラル動画広告週間ランキングが発表された。このデータを基に、6月第5週のバイラル動画広告週間ランキングTOP10をレポートしたい。いつもはVisible Measuresが更新するマスターデータを集計し、ランキングTOP20としてレポートしているが、今回は更新が遅れていることもあり、速報というカタチでレポートすることにする。

2011年第1四半期の最後の週でもある6月第5週のランキングTOP10は、以下のブログから参照することができる。

※ Google+ Gets Viral Boost From Demo Videos, YouTube


【1】 タイトル別の1位は予想通り「The Google+ project」。初登場でいきなり357万ビューを記録

タイトル別の1位は、大方の予想通り「The Google+ project」。先週もお伝えした通り、7月1日の時点ですでに140万ビューを記録していたので、TOP3には入ってくるだろうと予想していた。結局その後も順調にビューを増やし、最終的には357万ビューで1位になった。Google+に関しては賛否両論入り乱れているようだが、1週間でこれだけのビューを記録したということは、それだけ関心が高いということの証明でもある。

この357万ビューが、週間ランキングにおいてどれくらいの数字なのか知りたくなったので表にまとめてみた。下の表を見てもらえればわかる通り、第2四半期1位にランクされた全13タイトル中、4番目という凄い数字であることがわかる。

Top1

「The Google+ project」は、複数の動画が公開されている。最近のグーグルは、同時に複数本の動画を公開してくるバイラル動画広告のアプローチ方法を採用しており、「The Google+ project」においても同様の方法を取っている。一番ビューが多いのは「A quick look 」というタイトルだが、他にもグーグルらしいタイトルがたくさんあるので紹介しておきたい。ここで紹介している動画は、 Google+にログインしても見ることができる。たとえば、ログインした以下の状態から、「サークル」のアイコンの下にある”動画を見る”を選択すると、「② Circles」の動画が再生される。

Google

■ ① A quick look


 

■ ② Circles


 

■ ③ Explore hangouts


 

■ ④ Hangouts


 

■ ⑤ Sparks


 

この「The Google+ project」、「Google Chrome」以上のスタートダッシュに成功しただけに、今後どこまでビューを伸ばせるか楽しみだ。きっと、これから公開してくるタイトルには、どこかのタイミングで「Google Chrome」同様レディ・ガガやジャスティン・ビーバーのような大物を起用してくるに違いない。今後の「The Google+ project」が公開してくるバイラル動画広告に注目したい。

 

【2】 2位はダートデビルの「ザ・エクソシスト」。ボーダフォンとGEが初登場で上位にランク入り

ダートデビルの「ザ・エクソシスト」は、ランクこそ2位に下がったものの、6月の最終週も240万ビューを記録し2位に入った。この240万ビューという数字は、「ザ・エクソシスト」が記録した今までで一番多いビューということになる。近日中に、6月度の月間ランキングもレポートする予定だが、「ザ・エクソシスト」の月間1位はもう確定したも同然だ。

下の表とグラフを参照してほしい。今週も100万ビュー以上を記録したことで、「ザ・エクソシスト」は6週連続で100万ビュー以上を達成したことになる。今のところ、エビアンの「ローラー・ベイビーズ」級の勢いを見せていると言っていいだろう。特に目をひくのが、6月第1週の220万ビューをピークに下がり続けていた数字が、6月最終週にきて再び上昇してきたことだ。こんな力強い動きを見せるタイトルは、2011年に公開されたバイラル動画広告を全て見回してみても、フォルクスワーゲンの「The Force」くらいしか見当たらない。今の勢いを見る限り、まだしばらくは100万ビュー以上をキープできそうだ。

■ ダートデビル:ザ・エクソシスト



Photo

 

6月第5週は、1位の「The Google+ project」を含め、TOP10に全部で4タイトルがランキング入りしている。しかも、1位、3位、4位、10位と、TOP5以内に3つ。特に、1位、3位、4位は、いずれも100万ビュー以上を記録するという、強力な初登場組のタイトルが揃ったのが特長だ。

3位にランキングされたボーダフォンの「Fashion Photography With Lewis Hamilton & Jenson Button」は、210万ビューという通常の週であれば1位になってもおかしくない数字を引き下げてのランキング入り。。ボーダフォンの代名詞とも言えるF1もののバイラル動画広告で、今回はF1レーサーのルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンの起用が成功したようだ。

それにしても、初登場で210万ビューは凄い。2009年3月に公開した、同じくルイス・ハミルトンがラジコンカーを操縦するシーンが話題を呼んだ「Lewis Hamilton and the RC Office Grand Prix 」が、今までのトータルのビューが213万ビューであることを考えれば、今回1週間で記録した210万ビューという数字が、いかに凄いかということがわかってもらえると思う。

■ Fashion Photography With Lewis Hamilton & Jenson Button


 

4位にランキングされたGEの「Tag Your Green2011」は、114万ビューとこれまた初登場で100万ビュー以上を達成している。「Tag Your Green2011」というタイトルを目にしてピンときた人も多いのではないだろうか。2010年の10月にも「Tag Your Green」 というタイトルのバイラル動画広告を公開しており、トータルで1,900万ビューを記録するほど大ヒットした。今回の2011年バージョンも、2010年バージョンと同じように大ヒットとなるか、今後が楽しみなタイトルである。

■ GE:Tag Your Green 2011


 

【3】 TOP20圏外から返り咲きでランキング入りしてきたBMWとアップル

ランキングの5位から10位に目を移すと、新作ではないものの、前週のTOP20圏外からランキング入りしてきた返り咲き組の2タイトルが目につく。7位にランキングされたBMWの「BMW 1M - Walls - MPowered Performance Part 1 」は23位から、アップルの「iPhone 4 Face Time」にいたっては61位からのランキング入りとなっている。普通は、20位以下まで落ちてしまうと、なかなかTOP10に返り咲くのは難しい。「BMW 1M - Walls - MPowered Performance Part 1 」と「iPhone 4 Face Time」の今回の結果は、非常に珍しいケースだと言っていいだろう。特に「BMW 1M - Walls - MPowered Performance Part 1」は、100万ビューも達成しているから本当に凄い。

■ BMW:BMW 1M - Walls - MPowered Performance Part 1


 

■ アップル:iPhone 4 Face Time


 

iPhone4が発売されたのが2010年6月。発売からちょうど1年経ったことになる。そこで、「iPhone 4 Face Time」が公開されてから現在までのビューの推移をグラフにまとめてみた。公開から2週目に記録した183万ビューが最高で、その後急激に下がっていることがわかる。ダートデビルズの「ザ・エクソシスト」と比べてもらえればわかると思うが、両者は明らかに違う曲線を描いている。ただ、アップルの「iPhone 4 Face Time」の方が一般的だと考えてもらえればいい。ほとんどのバイラル動画広告が、初登場の週に瞬間風速的に100万ビュー以上を達成し、その後急激にビューを下げてランキングから消えて行くというカーブを描くことになる。

Iphone_4_face_time

【4】 2011年6月第5週のまとめ

2011年第2四半期最後の週である6月第5週は、「The Google+ project」の357万ビューという驚異的な数字と、「ザ・エクソシスト」の6週連続100万ビュー達成という、こちらも驚異的な記録で終わった週だった。2011年度第2四半期の締めくくりとしては、勢いがあっていい終わり方だったと言える。

その一方で、6月第3週に2位にランキングされていたT-モバイルの「Angry Birds」や、前週3位だったサムソンの「Unleash Your Fingers」が早くも圏外に消えてしまったという現実もある。これらの早々とランキング圏外に消えて行ってしまったタイトルを見ていると、いかに連続して上位にランキングされることが難しいかということがわかる

来週は、2011年第3四半期第1週のランキングをレポートしたい。どんな新しいバイラル動画広告がランキング入りしてくるか、来週のランキングも楽しみにしていてほしい。

itoman

« 2011年7月7日

2011年7月8日の投稿

2011年7月12日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

伊藤 靖

伊藤 靖

株式会社リトルウイングス代表取締役。
青森県弘前市出身。大田区蒲田在住。
企業のメディア戦略、コンテンツ戦略、モバイル戦略の構築と実行をサポートするサービスを提供しています。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のコメント
最近のトラックバック
カレンダー
2012年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
itoman
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ