« 2011年5月10日

2011年5月12日の投稿

2011年5月13日 »

本題に入る前に、話題になっているGoogle I/O のニュースに触れておきたい。というのも、Google I/O 2011の席上で、とうとうChromebookの発売が正式にアナウンスされたから。発売開始は6月25日だそうだ。2010年12月にアナウンスされたCr-48というChrome OS搭載ノートブックが、結局製品として発売されることなく尻すぼみの状態で終わってしまっただけに、今回の正式な製品化のアナウンスには、ほっと胸を撫で下ろしている関係者も多いのではないだろうか。

公開ホヤホヤの動画「Google I/O 2011: Keynote Day One」を是非見てほしい。この「Google I/O 2011: Keynote Day One」はちょっと凄い。何が凄いのかというと、まず長い!54分50秒もある。ところが、ただ長いけではない。視聴することを飽きさせない、見応えのある内容になっている。それにしても会場の熱気が凄い。

一つだけ気になったことがある。こんな尺の長い動画の配信が許されるのって、やっぱりGoogleだからなんだろうか?

■ Google I/O 2011: Keynote Day One

発表されたばかりだというのに、すでに7万回も視聴されている。最後まで視聴し終わっていないユーザのカウントが含まれているにしても、まずまずの数字だと思う。参考までに、Viral Video Chartによる5月12日13時53分現在のデータは以下の通り。少しバイラルしかかっていると言ってもいいくらいの数字だ。

●視聴回数:             68,512
●ソーシャルメディアへのシェア回数: 2,002
-----------------------------------------
※内訳         
facebook: 1,664
twitter:   794
bog:   44

そして、もう一つ「Introducing the Chromebook」。

■ Introducing the Chromebook

こちらはすでに10万回以上の視聴されている。

では、本題に入りたい。5月6日の記事「グーグルが最近公開した動画のバイラル効果についてまとめてみた」で紹介した、Google Chromeの2本の動画が、約10日間ほど経った時点で果たしてバイラルに成功しているのか、その結果について検証してみたいと思う。また、比較対象として、前回と同じようにアップルの「iPad 2 - TV Ad - If You Asked」も対象に加えている。まだ視聴したことがない方は、是非この機会を利用して視聴してみてほしい。

Google Chrome:It Gets Better

Google Chrome:Dear Sophie

Apple - iPad 2 - TV Ad - If You Asked

3つの動画の5月6日と5月12日時点のトラフィック値を表にしてみた。3つの動画すべてが動画視聴回数、ソーシャルメディアへのシェア回数ともに伸びてはいるものの、明暗がはっきり分かれた結果となってしまった。伸長率を見てほしい。動画視聴回数、ソーシャルメディアシェア回数ともに、「GoogleChrome:Dear Sophie」が断トツの伸びを見せているのがわかると思う。2日前に公開している「Google Chrome:It Gets Better」を、近日中に追い抜いてしまうことは、まず間違いないだろう。こうして見ると、3つの動画の中でただ一つだけバイラルに成功したと言っていいだろう。

Emf

そのことを証明するために、Viral Video Chartから入手した、グーグルの2つの動画のソーシャルメディアへシェアされた回数の推移がわかるグラフに、12時30分時点での1時間にシェアされた件数のキャプチャーを加えてみた。グラフからは、「Google Chrome:Dear Sophie」の落ち込みの方が「Google Chrome:It GetsBetter」よりも緩やかなことがわかる。また、1時間あたりにシェアされている回数も、「Google Chrome:Dear Sophie」の方が多い。このデータが、そのまま二つの動画の視聴回数の差につながっていることは間違いないだろう。

Photo

今回取り上げた3本の動画の中で、グーグルの「Google Chrome:Dear Sophie」だけがバイラルに成功しているのはなぜなのか、その理由について考えてみた。一番の理由は、ストーリーがあること。子供の成長を追いかけて行くというストーリーが、見る者の心に響いてくる。次に、わかりやすいこと。グーグルのサービスに興味がない、一般のユーザが見ても理解できるわかりやすさがこの動画にはある。そして最後が、子供を主人公にしていること。昔から、赤ん坊や子供を主役にした動画はバイラルしやすい傾向が強い。つまり、バイラルするための要素を兼ね備えた、非常に完成度の高い動画だと言えるだろう。

■Google Chrome:Dear Sophie

もう一つよくできているなと感心させられたのが、全シーンに何回か登場してくる”share”という言葉。見終わった後、思わず”share”したくなるから不思議だ。

itoman

« 2011年5月10日

2011年5月12日の投稿

2011年5月13日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

伊藤 靖

伊藤 靖

株式会社リトルウイングス代表取締役。
青森県弘前市出身。大田区蒲田在住。
企業のメディア戦略、コンテンツ戦略、モバイル戦略の構築と実行をサポートするサービスを提供しています。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のコメント
最近のトラックバック
カレンダー
2012年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
itoman
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ