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最近電車の中で頻繁に流れている、卓球選手福原愛の東北の復興を願うムービーが好きだ。たくさんの被災地や日本の復興を願うムービーをテレビや電車の中で目にするが、個人的にはこの福原愛のムービーが一番気に入っている。ファンでもないし、今まではこれといって好感を持っていたわけでもなかったのに、電車の中でこの東北応援ムービーを見た瞬間、心に熱いものを感じた。

仙台出身である彼女の幼少の頃の写真と一緒に、東北に育てられたことを紹介していくストリーなのだが、後半になって、どんなに苦しいことがあっても乗り越えられてこれたのは、東北のDNAが流れているからだという台詞が出てくる。この、私には東北のDNAが流れているという台詞が、このムービーの全てを表している気がしてしかたがない。なぜなら、私にも東北のDNAが流れているから。

私の田舎は青森県の弘前市というところで、幸いにも今回の震災による被害はなかった。両親、兄弟の家族、親戚全員も無事だった。それでも、両親曰く、今まで生きてきた中で一番大きな地震だったと言っていたし、同じ青森県でも八戸をはじめとした太平洋側はかなりの被害を受けた。

直接の被害はなかったものの、今回の震災のニュースを見る度に、いつも心に引っかかるものがあった。なぜなら、私の記憶に残っている、幼い頃に見た東北の美しい風景が失われてしまったからだ。そのことが、心に引っかかっていた。

私の父親は弘前で高校の教師をしていた。教師というのは、学校が休みになると子供と同じように休みが取れる、とても休みの多い職業である。そのおかげもあって、父親は夏休みになると必ず旅行に連れて行ってくれた。そして、その行き先はといえば、同じ東北である岩手県や宮城県がほとんどだった。

今だったら新幹線乗って数時間で行けるが、私が幼少の頃は、同じ東北に旅行に出かけるのでも何時間もかけなければ目的地に着くことができなかった時代である。東北への旅行といえども、幼少の私にとっては一大イベント以外の何物でもなかった。今でも鮮明に記憶に残っているのは、岩手県沿岸から宮城県の牡鹿半島まで続く三陸沖リアス式海外の美しい風景である。海水浴をしたり、カニや貝などを採って遊んだことを今でも覚えている。

その美しい海岸が、今回の震災で甚大な被害を受けてしまった。テレビで目にした光景は、それはもう悲惨なものである。あの美しい景色を知っているだけに、すぐにはその事実を受け入れることができなかった。でも、あの美しい景色は必ず元通りになる。今はそう信じている。

東京には、たくさんの被災地出身者や私のような東北出身者が住んでいる。東北のDNAが流れている人間がたくさんいるのだ。東北のDNAが流れているという福原愛のムービーは、そんな東京で暮らしている東北出身者の心を奮い立たせてくれる。

itoman

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伊藤 靖

伊藤 靖

株式会社リトルウイングス代表取締役。
青森県弘前市出身。大田区蒲田在住。
企業のメディア戦略、コンテンツ戦略、モバイル戦略の構築と実行をサポートするサービスを提供しています。

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