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一体企業は動画をどう活用しているのか。これから動画の利用を検討している企業にしてみれば一番気になるポイントではないだろうか。同業他社となると尚更かもしれない。このブログでは、ビムーブの動画配信サービスをご利用いただいているお客さまの動画の活用方法をできるだけ数多く紹介して行きたいと思う。

まず、下の図を見てほしい。企業の動画配信利用パターンを二つに分類してみた。大きく消費者利用モデルと従業員利用モデルに分かれる。

Photo_5
   

■ 配信する対象は誰か

消費者利用モデルと従業員利用モデルの一番の違いは、動画を配信する対象は誰かということ。配信する動画を誰に見てほしいのか、それが2つのモデルの大きな違いだ。消費者利用モデルは、インターネットを利用する一般消費者が対象となる。SNSなどの会員も含まれる。

一方、従業員利用モデルは社員、アルバイト、パートなどの従業員が対象となる。取引先などが含まれる場合もある。 動画配信というと、すぐにYouTubeのような一般のインターネットユーザーを対象とした利用パターンを想像する読者が多いかと思うが、実は従業員を対象とした従業員利用モデルの事例が最近増えてきている。このブログでも実際の事例を数多く紹介して行きたいと思う。

■ 何のために動画を利用するか

動画を配信する対象が異なるということは、動画利用の目的も大きく違ってくるということ。消費者利用モデルの場合は、内容の違いはあれ宣伝とPRが目的となる。自社の商品やサービスの特長をもっと多くの消費者に知ってもらうために、高い制作費用をかけて作ったCMなどを配信するのが良い例だろう。それ以外では、優秀な人材を採用するために会社自体の宣伝・PR用の動画を配信したり、経営トップが自ら業績報告を動画で配信するといった利用方法もある。

一方、従業員利用モデルの場合は、教育・研修が中心となる。基本的な挨拶の仕方にはじまり、営業トークや商品知識の習得などに動画を活用している。流通、量販店、外食などは、教育とまではいかないものの、業務に必要なオペレーションなどのマニュアルの習得に動画を利用している。また、重要な会議やイベントなどの様子を動画で配信する動画広報として利用方法も見逃せない利用方法の一つだ。

ちょっと変わった使い方としては、動画を見せる相手は一般の消費者なのだが、従業員がiPadで商品の説明や契約方法などの手順を動画を使って説明するといった利用方法も最近の事例としてある。非常に面白い事例なので今度詳細を紹介したい。

■ 動画で何を実現したいかを考えよう

利用目的が異なると、2つのモデルに必要な要件にもかなり大きな違いがでてくる。消費者利用モデルの場合、配信している動画を視聴しているユーザーが誰なのか特定することができない上、24時間365日視聴されるということを前提に準備をしておかなければならない。大量&集中的なアクセスに対応できることが必須となる。

一方、従業員利用モデルの場合、利用者が特定できる上に利用する時間も就業時間中に限られる。よって、消費者利用モデルのような大量&集中的なアクセスへの対応に迫られることはない。その代わり、従業員以外の人間に視聴されないような強固なセキュリティ対策が求められる。

つまり、動画を配信する目的によって、動画配信に求められる機能も変わってくるということだ。企業の動画利用で一番重要なポイントは、動画で何を実現したいのか、それをまず明確にすることである。それが明確になれば、利用する動画配信サービスに必要な機能や要件も明確になるはずだから。

次回は、2つのパターンの具体的な実現方法と事例を紹介する。

※弊社のサイトでも事例を紹介しています。
   http://www.bemoove.jp/casestudy/

itoman

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プロフィール

伊藤 靖

伊藤 靖

株式会社リトルウイングス代表取締役。
青森県弘前市出身。大田区蒲田在住。
企業のメディア戦略、コンテンツ戦略、モバイル戦略の構築と実行をサポートするサービスを提供しています。

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