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ITの技術や方向性考え方について別の選択肢を追求します

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Java は、現在の、このネットワーク時代の、基幹業務開発用言語として、ついに主流となってきた。ネットワーク時代に、COBOL や C/C++ といった、旧世代の言語でプログラムを書くことは減少し、逆に新世代の PHP や Perl、Ruby などの台頭がある。それら新旧の言語に挟まれて、Java が今現在プログラミングの中心にいる。

この Java を稼働させ、コンピュータ資源を活用し、パフォーマンスやスケーラビリティを確保し、開発生を向上させるのが、アプリケーション・サーバだ。IBM の WebSphere、BEA の WebLogicなどが代表的な製品で、サンでも「Sun Java System Application Server」という製品を販売している。Java には、企業向けの Java API の標準があり、Java EE (Enterprise Edition) と呼ぶが、この Java EE をサポートしているのが「アプリケーション・サーバ」と言える。

2005 年、JavaOne という Java の開発者のための世界最大の会議があり、そこで、 Java EE のレファレンス実装(API が正常に稼働する事を確認するためのコード)をオープンソース化するプロジェクトを発表し「Project GlassFish」と名付けた。ちなみに、GlassFish は熱帯魚の仲間で、体が透明なのです。

Glassfish_3 2005年当時は、ちょうど Java EE 5 と呼ばれるバージョンが策定された時である。Java EE 5 は、開発生産性に重点を置いたバージョンで、この Java EE 5 を幅広く、かつ、迅速に普及させるために、この「Project GlassFish」は大いに役にたった。

Java EE 5 の普及を加速する、という意味は、第一にアプリケーション・サーバを開発・販売している企業が、Java EE 5 のレファレンス実装のコード(RI : Reference Implementation )を実際に読むことにより、Java EE 5 の詳細を理解できる。TmaxSoft、Oracle、BEA、JBoss、Jetty、Geronimo などの企業が、このオープンソースの利点を使うことができた。

オープンソースなので、コミュニティメンバーやコントリビュータ(貢献者)、ディストリビュータがいる。社外のコントリビュータがたいへん多いのが、この「Project GlassFish」の特長かも知れない。代表的なディストリビュータや、他の標準、連携しているオープンソース団体を図にするとこんな感じになる。

Distributors 多くのアプリケーション・サーバが GlassFish のコミュニティに入り、情報を共有することにより、Java EE 5 に準拠したアプリケーション・サーバが今まで以上に早く市場に投入することができた。

この「Project GlassFish」を主催したサンも、当然、利益を得た。オープンソースのコミュニティで集まった知識がGlassFish のソースに還元され、そのコードを基盤にして、「Sun Java System Application Server 9.1」とういう製品を出すことができた。アプリケーション・サーバに期待される機能を、確実に搭載し、かつ、最高のパフォーマンスを出すことが出来た。

サンのオープンソースのライセンスに対する考えは、基本的にはGPLv2 準拠だ。製品の費用だが、オープンソースは、無償でダウンロードが出来、サポートを利用しないなら、そのまま無償で、いつまでもずーっと使用できる。しかし、企業の基幹システムで利用する場合、サポートとワランティが必要となる。そのためには、製品のライセンス料と年間のサポート契約料を頂戴するが、4ソケットまで、ライセンス価格は、2,252,000円。年間のサポート費用が、一年間で397,800円と、他のアプリケーション・サーバに比較しても、半額程度だ。

Commodity最近は、「コモディティ」という考えが出てきた。生活必需品とか言う意味で、必需品の価格は下げるべきだ、という考え方だ。サポートの事を考えれば、いまだコモディティといえども、多少のライセンス料は頂戴したいが、無償でダウンロードして、自由に使える、という環境は作っていかなければならない。コミュニティがあるので、手厚いサポートでなければ、メーリング・リストやリポジトリーを使って、自分で問題を解決していくことは、できるようになっている。この「コモディティ」という言葉、IT のキーワードになっていく、と思われます。ただし、旧態依然とした企業からは、発想としても出てこないでしょう。

■■■
いかがでしょう。ご興味を持たれましたか?現在、GlassFish V2 がリリースされ、GlassFish V3 は開発中です。面白そうでしょう〜。

昨日、GlassFish コミュニティの日本語サイトを更新、改善しましたので、ご紹介します。こちらです。このページの上の方の真ん中にPDFでGlassFish のホワイト・ペーパーをダウンロードできるようにしてあります。「GlassFish コミュニティー Java EE Application Server の提供」という題で、GlassFish の概要がしっかり理解できる内容になっています。

日本人で、米国サンのソフトウェア部門に在籍し、このGlassFish でも活躍中の吉田豊の共著です。日本語翻訳にあたっては、日本のサンに在籍する吉田正人が監修を行いました。

 

注1.たまには、IT の事も書かなきゃね。このブログ、宣伝のつもりでなく、コミュニティのご説明ですので、ご理解、いただければ。ん?やっぱり宣伝に見える?私の至らぬところです m(_ _)m

注2.吉田豊と吉田正人、たぶん、兄弟ではありません、念のため。

とおる

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高橋徹

高橋徹

現在サン・マイクロシステムズにて、様々なミドルウェア・ソフトウェアの販売推進・ビジネス開発を担当しています。旅行、食べ歩き、読書が趣味。

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