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ITの技術や方向性考え方について別の選択肢を追求します

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なんで、ブログなんて書き続けているんだろう。と、思うことがある。今回のこの10大予測は、ひとつひとつが結構、重たいのだ。が、始めちゃったので、最後までやります。今回の2つには、詳細なデータなどない。どちらかといえば、いままでの私の個人的な経験と、私なりの推論である。

3.Oracle が Sun を買収する

別にサンの社内にそういった情報が流れている、ということでは、「まったくない」。Sun を BEA に変えれば、ついこの前、話題になったことだ (まだ、続いているのだろうか?)。M & A は、どの業界でも起こることで、IT 業界でも、業界の歴史の大部分が M & A の歴史である。

そして、2008年から 2011年の間にも、大きな M & A は発生するだろう、ということだ。その大きさが、Oracle、Sun、Dell、SAP、Intel といったようなサイズの企業が、買ったり、買われたりするのではないか、と想像する。まあ、空想のレベルではあるが。

その要因の一つは、Oracle と SAP。ふたつの ERP パッケージベンダーの対立だ。大型の ERPパッケージの業界シェアは、この2社によって2分された。両社とも、均衡を保って、安穏とする会社ではない。どうやって、シェアを取り返すか、また、自分のシェアを確保するために、プラスアルファの機能を ERP パッケージに付随させて、自社の顧客を囲い込むかが重要になる。

その時に、ゼロから新しい機能を作っていたのでは遅いので、当然既存の企業でそのソリューションを持っている会社を M & A することになるだろう。だから、Oracle  が BEA を買収する理由のひとつとして BEA の SOA ソリューションとアプリケーションサーバを取り込めば、強くなるし、顧客ベースも増える。これは、対 SAP だけではなく、対 IBM、対 DB2 & WebSphere にも有効だ。

まあ、Oracle が Sun をいま買っても、何の益もないので、上のタイトル「Oracle が Sun を買収する」は、半分ジョークだ。1年半ほど前、Oracle と Sun がシリコンバレーで、合同社内ミーティングを大々的にやったときに、スコット・マクニリがラリー・エリソンに、開口一番、「いつ、Sun を買うつもりだい?」とジョークを飛ばしたのでした。(合同社内ミーティングをやるぐらい、この2社は、仲が良いらしい)。

4.SaaS は日本では苦戦する

SaaSは、私個人としても、 Sun としても、期待している分野のひとつだ。Salesforce.com (がんばれー。あ。応援です。)に止まらず、様々なサービスをコモディティ化したり、まるで、電気を使うのに、コンセントにつなげれば使えるように、IT サービスもネットワークにつなげるだけで使い始められる。まあ、今後はコンセントでなく、Wifi などの無線の世界だから、まるで、スタートレックみたいに、コンピュータにつながっていく。いいなぁ。

と、理想は高いが、日本での SaaS は、Salesforce.com が一歩一歩地ならしをしてきて、ようやく 2007 年ぐらいから、市民権を得た言葉となった。昨年11月に SaaS World 2007 が東京ミッドタウンで開催され、Sun はインフラベンダーとして、唯一参加したが、私が知っている、業界のキーパーソンが、来るは、来るは。

ところが、私の予想では、SaaS は特に2008年から2011年まで、日本では苦戦するだろう。まあ、その前に SaaS の定義をはっきりさせなければならないが、ここは、オルタナティブ・ブロガー、谷川 耕一さんの定義が適切だと思うので、こちらをご覧下さい

この中で、SaaS の特徴として、谷川さんは、

  • マルチテナンシーであること
  • 費用の支払い方がサブスクライブ方式
  • カスタマイズが可能

であるという。日本で苦戦するのは、まさにこの3点と思われる。

マルチテナンシーであること

他社が使用している同じシステムで、自社のシステムを使って、セキュリティ上問題ないのか?という、子供じみた不安から、自社のデータとサービスは、特別にしてくれ(止めるな)、データは日本に置け、など、ご無理ご無体な要求が出てきそうだ。

サブスクリプション方式の支払い
弊社でもサブスクリプション型の料金体系があるが、ぶつかる現実としては、それぞれのIT経費は、一回きりのプロジェクト型で下りてくるのが実情だ。どうやら、ITの支出は、まとめ買いしか認められない。電話と同じだし、電話に比べたら全然安いし、電話の通話料も、そのシステムによって減るのに、サブスクリプション型を認めて貰えない事がある。もっと聡明になっていただきたいものだ。


カスタマイズが可能

とは言っても、マルチテナンシーである以上端から端までカスタマイズするのは、無駄だ。ERPパッケージが出始めた頃、ERP の機能のカスタマイズをどこまでやるのか、問題になったが、SaaSでは ERP パッケージよりは、カスタマイズをしない事が懸命だと思う。その分、マルチテナンシーで、サブスクリプション型で、費用を低く抑えて、必要な機能を使える利点を得られるのだ。

しかし、日本のIT部門の文化としては、自社のオペレーションにシステムが合うこと、止めるなといったら止めないこと、トラブルがあったら理由を明確にして二度と同じエラーを出さないこと、が尊重される。この保守的な文化が変化していかなければ、安く、さっさと使って、適度な依存性をキープするようなオペレーションが、そんなに簡単に導入できるとは思えない。

私のとっておきの、すっごい大胆な予測としては、グループ子会社に SaaS 会社を作り、グループ各社の共通サービスをその SaaS 子会社に受け持たし、我が企業グループでは、SaaS を実践しています、と言うの。それ、SaaS っていうのかねぇ。 経費が浮くのだろうか?

とおる

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高橋徹

現在サン・マイクロシステムズにて、様々なミドルウェア・ソフトウェアの販売推進・ビジネス開発を担当しています。旅行、食べ歩き、読書が趣味。

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