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スマートメータによる時間ごとの電力使用情報

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スマートメータが設置されて殆ど4ヶ月、ようやく時間ごとの電力消費量データが提供され始めた。北カリフォルニアに電力とガスを提供するPG&E社は全米でも一番スマートメータの設置に熱心だ。筆者の家には415日に設置された。設置する際には立ち会おうと思っていたが、ちょうどその日は日本から帰ったばかりで、玄関のベルが鳴っていることは分かったが起きられない。後で気がついたというお粗末。

それはともかく、スマートメータ設置後6090日で時間ごとの電力使用量を確認できるようになるということだったが、待てども暮らせどもデータの提供が始まらない。痺れを切らした頃ようやく始まったのが数日前。これは予想以上に面白い。データはPG&Eのウェブサイトからグラフ形式で入手できる。8月のある日、朝起きてからPCをつけ朝食を作ったという、6時台の活動がそのままグラフに示されている。そして、家を出た午前7時台からは低く、夕方の帰宅後、また電力消費が増加している。PCや電灯をつけたり食事の支度をしたのがそのまま反映されている。この他に午前9時、午後1時、午後4時に、その日は誰も家に居なかったにも拘らず、消費量が微増している。考えられるのは冷蔵庫だ。たぶん冷却がオンになったのだろう。

筆者はエコというよりケチだから、必要のない電気は全部消している。TVもラジオもその他すべてのエレクトロニクス製品は、使用しない時はコンセントからコードを抜いている。家にいない時に電力を使用するものは、2つの留守電、冷蔵庫、デジタル時計、電子レンジ(の時計)くらいだ。この中で電力使用量が変化するのは冷蔵庫だけ。もう寝ていた午後11時に使用量が増加したのはたぶん冷蔵庫だろう。だが、午前1時にもまた増加していて、それも結構高い。何か消し忘れたのだろうか。けれどそうだとしたら、それ以降減少するのは理解できない。冷蔵庫の自動霜取りが作動したのかと考えてみた。

こんなことは、個々の電気製品がそれぞれの電力消費を報告できる機能を持つようになれば簡単に分かるはずだ。米国では家電メーカーのWhirlpool社が、近い将来そのような機能をすべての製品に搭載すると発表している。最近GoogleMicrosoftが家庭内の電力消費を表示できる無料のソフトを発表している。残念ながらPG&Eはこれらの製品と整合性がなく、使用できない。

スマートメータのもうひとつの利点は電気代の節約だ。電気代は一日の間で変化する、という事になっている。深夜は一番安く、昼食後から夕食までの間が一番高く、あとはその中間だ。電力供給は、ピーク時対策に一番金が掛かる。需要のピークに対応するためだけに、通常時には必要のない発電をしなければならないからだが、このピーク時の電気料金を非常に高くすれば、需要が減って全体の発電の費用が下がる。電気料金をダイナミックに変化させ、スマートメータを介して消費者の電力使用を誘導することで、電力会社は発電コストを抑え、消費者は電気代を節約することができる。

ところが、である。サンフランシスコ ベイエリアは気候が温暖なため、時間によって電気代は変化しないと聞いている。なぁんだという感じだ。ところで、こちらの知人や友人にスマートメータの話をしても、殆ど皆生返事だ。興味が無いということか。最近のエネルギー関連コンファレンスで、消費者を8つのクラスに分けてその行動を解析した話を聞いた。筆者のように、時間ごとの電力消費を追いかけたり、前月や前年と消費量を比較するのはinnovatorと呼ばれる暇人らしい。全米の人口の約10%、北カリフォルニアでは12%がそういう暇人だそうだ。もっとも、そのコンファレンスで別のスピーカーが言っていたが、時間ごとのデータを熱心に見るのは始めのうちだけで、すぐに飽きるそうだ。確かに、最初の日の興味がもう薄れ始めている。

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