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恐怖のWebinar放送の体験

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日本ではあまり聞かないけれど、ウェブを介してプレゼンテーションを行うWebinarなるものがこちらでは盛んだ。会場が要らないし、録音や録画をしておけば後から使用することもできる。

最近、エコ データセンターのパネルのモデレータをした。今回はその話。どこからモデレータの依頼が来るかというと、正にコネだ。あちこちで色々と嗅ぎまわっていると、使えそうな奴がいるというので話が来る。もちろん、背中を掻いてくれた人には違う形でお返しを。「まるで、談合じゃないか。」そうですけど、何か?

自分で売り込むパネルならば、テーマやパネリストも含め詳細はこちらで詰めてあるから楽だ。しかし今回は既に抽象的なテーマがあり、それに関するトピックが3つばかりと、データセンター業界団体からのパネリストが決まっており、「パネリストをもう2人くらい確保して、あとは適当にやってくれ。ついでにタイトルと中身の詳細を詰めてくれ」という。「ところで、タイトルは85字までじゃ」ということで引き受けた。

既に決まっているパネリストは業界の有名人で、他のパネリストを確保する際、主催社とこの人の名前を言うと大体が話を聞いてくれる。それでパネリストは全部で4人となった。しかし全員有名人で、恐ろしく忙しい。みんな、つかまえるのは電話ではなくメールにしてくれと言う。実際の放送日の3週間前に電話会議をして(これは奇跡的に全員が参加)、1週間前に最終チェック。この時点でも、本当にこの4人が放送時に参加してくれるのか疑心暗鬼だった。

こちらは、初めに使う自分のスライドや話す内容を何回も練習して準備万全。でもパネリストからのスライドがなかなか来ない。放送前日になってようやく4人のうち3人から届き、内容を見てこちらのスピーチの中身を調整。更に練習。

さて放送当日は、開始の30分前に放送をモニターする係に電話を掛けることになっていた。ところが貰った番号に掛からない。それで最初にこの話を持って来た人に連絡。新しい電話番号を貰ってメールで全員に配布。ところがこの番号も通じない。放送まであと15分。再度連絡してまた違う電話番号を貰い、やっと通じた。あと10分になった時、携帯に電話が入る。パネリストのひとり、Aさんが、場所の都合でWiFiを確保できないと言ってくる。そんなこと今さら言われたって。普通の電話を左の耳にあてながら、右の耳で携帯。係の人からはこのパネリストの番号を教えろと怒鳴られる。しかし、携帯で当人と話をしている筆者は番号を調べられない。

あと1分。ようやく3人を確保。ちょっと遅らせた方が良いということで、3分遅れで放送開始。それも突然、それではあと30秒でオンですという指令。ちょっと待ってくれよという間もない。

冒頭に自分のスピーチをした後、「最初のパネリストに話をして貰いましょう。Xさんどうぞ」とパネリストを紹介するが反応なし。どうやら電話の問題のようだ。そこで少しも慌てず(内心慌てたが)、「ではYさんにお願いします。」Yさんが話をしている間にメールは来るは、SMSも来るは。どうやらXさんがまたオンラインのようだ。Yさんのプレゼンが終わってXさんの出番。さらにZさんが話をしているときに、WiFiがないため参加できていなかったAさんからメールとSMS。「繋がった、心配するな。」やれやれ。なのに、Zさんが終わった後、「では、Aさんどうぞ」と言っても応答なし。

仕方ないので、Aさん抜きで、モデレータ(筆者)からパネルへ質問。この質問の最中、突然Aさんが参戦して意見を述べた。どうやら繋がったようだ。そして終盤へ。

最初このセッションは55分と聞いていたが、54分を過ぎても話は続いており、今は切れない。55分になったら突然切れるのか。冷や汗が滲むが、55分を過ぎても続行。どうやって終わろうかと思っていると、スクリーンに残り1分半と警告が出た。ちょうどお時間も宜しいようで、と切り上げた。

さすがと思ったのは、パネリストが全員落ち着いており、いかなる問題にもプロとして対処してくれたこと。こちらも年の功か、何とか心の動揺を抑えて演じた。興味のある方はここから見ることができる。

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