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日々のニュースの中から、ネット広報の可能性を探る

2009年が始まりました

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2009年が明けた。

2008年は米国の金融危機に端を発した景気後退が日本に波及。不況一色の報道もあって、世の中が萎縮している。今年はそんな状況であっても、自らビジネスチャンスと判断すれば、自ら決断し、新たな事業にチャレンジしていきたい。

年末のテレビ特番では、破綻したリーマン・ブラザーズ日本法人の元幹部と派遣労働者、リーマンの関連会社が買収し、廃業した京品ホテル直営居酒屋の料理長らとの討論が放送されていた。リーマンの元幹部の発言は正論で、派遣労働者の言い分は感情的だった。ただ、リーマン元幹部たちの態度や発言は冷静で、あまりにも冷たく見えてしまった。これがテレビの怖さだ。高級外車を乗り回し、リストラで失業したといっても悠々自適に優雅に暮らす元外資系金融マンを事前に紹介しておくなど、おそらくテレビ局の演出によるところも大きいが、視聴者の多くは感情的には派遣労働者側に味方してしまっただろう。

こうした番組出演の依頼があった場合、広報的には受けるべきではないだろう。ストーリー的にどう考えてもリーマンに味方する構成にはならないだろうと予想できるし、正論では勝っていても議論がかみ合うはずもないことは想像がつく。

欧米企業で不祥事が発覚した場合、発覚時の会見やメディア取材では、自社にマイナスになる謝罪は一切しないことが通例だ。その後の裁判で不利になるためだ。シンドラーエレベーターの事故や三菱自動車のリコールなど、外国人がトップに就いていた企業で、記者会見での社長の態度が不遜でメディアの反感を買ったというのは記憶に新しい。日本のメディアの場合、正論、法的に正しいだけではなく、一般生活者の感情を想定した番組・紙面作りとなる。一般生活者の感情を踏まえて発言しないと企業価値が大きく毀損することになる。

企業の相次ぐ「派遣切り」問題では、野宿する派遣労働者向けに日比谷公園で炊き出しなどを行うボランティアの活動が伝えられた。私自身もPRという手法を使って、何か協力できないかと考えている。

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