オルタナティブ・ブログ > サラリーマン的 “都合の良い” 生き方のススメ >

今あらためて組織力が問われる時代に、”負け組をつくらない組織”の作り方を研究していきます。

視点の話

»

例えば、営業の場合。まだ社会人駆け出しの頃は、全てのことが新しい挑戦で先輩や上司に教わることを積極的に自分のものにしようと努力をする。そして、それが何年か経つと段々とできなかったことができるようになって自信に変わってくる。同時に自分が先輩の立場になって逆に自分が何かを教えるような場面も増えてくる。こうして社会人になってから、できるようになったことを継承していくことで社会人としての自覚をじわじわと感じるようになる。その中から、チームなどを取りまとめていく役割を得ていく人もでてくる。ピープルマネージャーとして、また先輩や上司に教えを乞いながら努力を重ねる。このように吸収しては、それを周りに共有することの連続で人は成長する。とは言え、全員がこのように進んでいくわけではない。組織のほとんどはピラミッド型であり、上に行けばいくほどその枠は少なくなる。10年も経つと、2,3年の経験差はさほど関係はなくなり、場合によっては自分と同じ年や年下の社員が自分の上司になったりすることもあるだろう。

何がその差を生むか?同じように先輩や上司のコーチを受けて、同じように後輩を教えて、様々な経験をしていく中で何が違いだったのか?個人的には、一部の人以外は何にしても実力と言うのは大して大きい差はないと感じることが多い。例外的一部の人と言うのは、スポーツで言うとオリンピックやプロの世界で活躍できるような才能と努力を兼ね備えられる人たちだ。他の95%くらいの人は、努力や環境の差はあるにせよ実力的資質と言う意味では、平均化されていると思う。従い、やはり普通に社会人になって成長していく過程で何らかの違いがあって、社長や取締役までなれる人と、課長・部長までなれる人と変わってくる。その違いは、ずばり「視点」の違いに他ならない。

どんな状況下でも、自分以外に頼れる人がいないとしたら自分はどうするべきか?を考えている人と、指示を受け身で聞くだけの人とでは当然言うまでもなく雲泥の差がつく。日々ルーチン化された業務一つ一つに何の意味があるかを考えて理解して動く人と、表面的な言葉だけを理解して動く人とでも、やはり同様に大きすぎる差がつく。「社長目線で考えろ」とよく言うものだが、社長である人はどのような視点で同じ事象を見て、何を感じているのか?それを想像し自分との差を考えることこそが成長の努力に他ならない。昔、ドラマ”古畑任三郎”で政治家の秘書である犯人が担当している先生の言葉の裏を読みすぎて、 ぼろを出して捕まるという回があった。何事も裏があるとか、そのように考える必要はないのだが、会社からの指示、上司からの依頼などコミュニケーション上の言葉の真の意味、本質的意義は何かを確実に捉えていくことが大事になってくる。

もし組織のまとめ役の立場なら、何故、会社はいまこの戦略なのか?何故、上司はこの仕事を自分に依頼しているのか?「なぜか?」の疑問を常に持たせ、答えを考えさせ、最終的にその答えをシェアすることが組織の活性化、個々のレベルを上げるヒントになる。最終的に人を育て組織を育てるには、同じ考えを正しく持った人が揃わないといけないのだから。

Comment(0)