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今あらためて組織力が問われる時代に、”負け組をつくらない組織”の作り方を研究していきます。

ビジネスは「情報伝達のプロセス」である

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企業内におけるIT投資対象の優先順位は企業によっても異なるが、時代とともに変遷する文字通りトレンドがある。基幹システムへの優先的投資からクラウドテクノロジー普及により現場へのIT投資へ優先度が変わってきていることを現場でも感じる。現場へのITとは何か?わかりやすいところでは、スマートフォンやタブレット端末の支給。営業など業務上に必要な情報の管理と活用における時間的コストを一気に削減でき更には情報伝達の量と質をも一気に向上させることで、対顧客含めより深い理解や洞察をもってビジネスコミュニケーションがなされるようになる。

他には現場で扱う情報管理ツールとして、CRM/SFAのようなシステムへの投資もその普及率は留まることなく伸びている。顧客を中心としたあらゆる情報を管理活用していくことでビジネスを継続的に維持する、新しいビジネスを創出するためのマーケティング施策へ活用する目的が主である。

ビジネスとは見方によれば「情報伝達のプロセス」以外に何者でもないと言える。製品情報があって、何らかのマーケティング施策により市場に伝わり、顧客のニーズという情報と繋がり、売る側にそれが辿り着き、提案活動ないしは購入に向けて情報追加があって、買う側は決定をする。そして、その購入するという情報は発注書などの形となって販売側へ流れ、支払いに関するやりとりが発生し、発送や生産というプロセスへと続く… 。機械的に見た場合、これら企業活動とは情報伝達に過ぎなく、伝達するために人とツールが存在する。顧客から営業へ、営業から請求部門や生産部門へと書面やデジタル情報の形で伝達される。当然、店頭などでの販売活動も情報伝達のプロセスの一つである。

現場へのIT投資はこの「情報伝達のプロセス」の効率化に最大のメリットが存在している。補足すると、伝言ゲームのオチと同じで人による伝達にはミスがつきものであり、誤納品や配送先ミスなど多くの標準外対応が強いられるのも普通のことと言える。しかしながら、クラウドコンピューティングを利用した今後の情報伝達プラットフォームの特性を考えると、これらヒューマンエラーも大きく減らすことにつながる。エラーによるコスト、エラーを防ぐための予防コストも削減対象となる。

そして、最終的には ”現場” つまり顧客に近いところで活動をする部門には、これら自動化されたビジネスプロセスの恩恵を、顔を合わせてより深く相手を理解するための時間や労力に変えていくことが求められているのである。よくCRM/SFAを活用することで「勘に頼よるだけの営業から科学的な根拠を基にした営業への変化」を期待していると言われることがあるが、本当のところ「勘をより研ぎ澄ました営業への変化」というのが正しい表現なのだと思う。

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