組織の責任者として
組織を作っていく上で絶対に忘れてはいけないことがある。それは、「必ず結果を出す」ことである。いや、正しく言うならば「必ず認めてもらえる結果を出すこと」だ。組織とは目的を持って、それを達成する為に存在しているのだからして、何を差し置いてもこれを果たせずにいくら素晴らしいことを言っても意味が無い。何故なら、それが全てだからだ。結果を出せずに評価された組織・リーダーはない。ただし、私がここでいう結果至上主義的な意味合いにはいくつかの補足説明が必要だろう。単に「結果だけ出せば良いのか?」というとそれは違う。結果・評価は自分で守るものなのだ。この言葉に尽きる。
以前にも述べたのだが、物事の良し悪しの判断はその基準として何をどこに置くか、どの立場から見るか、誰が見るか・・・で変わってくる。更に、相手がどう感じるかが重要なのだ。例えば、企業活動において、単に営業の数字だけを見て結果が良いと判断する場合もあるが、組織並びにその中の人たちの評価は数字以外の面も含めて総合的にその”結果”を判断しているはずだ。仮に不正な方法で数字を作っても誰も評価しないのと同じで、結果までの過程や考え方も当然含まれる。逆にもしも数字と言う明確な結果が悪くても認めてもらえることだってある。これが本当の意味での「結果を出す」ということである。
「評価して欲しい結果」は自らが作り出さないといけない
そしてここが最も重要だが、「評価して欲しい結果」は自らが作り出さないといけないということである。そうでないと誰も注目はしてくれない。数字と言う100人が見て100人ともが分かるような単純な結果は当然ならが注目される、それ以外に数字を挙げる為に行っている努力過程も認めてもらうことが大事だ。つまり、評価対象として着目し認めてもらうことである。
簡単な例で説明しよう。あなたはある営業部のマネージャーだとして、入社して間もない社員が自分のチームに何人かいるとする。彼ら新人の育成はチームをリードするあなたにとって重要なことだ。しかし、もしあなたの上司や会社が売上・数字の結果だけであなたのマネージャーとしての評価をくだすしたらどうだろう?困りやしないか?私だったら困る。現実的な問題として、業務を覚える段階のメンバーにそれほど多くの期待は初めからできないのは明らかだからだ。では、あなたはチームをリードする立場として何をすべきか? = 正しくあなたの努力が評価される為に何が必要か? それは「新人の育成の結果」を評価してもらえるように自らで目標設定をして上司からの評価対象にしてもらうことである。これができてないと後から数字以外の結果も評価してくれないと文句を言う羽目になる。当然、数字達成が一番大事なのだが、組織とは人そのものなのだから成長がある。成長しなくてはいけない。組織に責任のある立場なら、組織が将来に渡り立派に大きく育つように考えることも大切である。
実際には数字の結果だけしか見ないという上司はいないだろう。毎日部下の努力を見守っている。しかしだ、現実的に組織が大きくなればなるほどそれも簡単ではなくなる。もっと複雑だ。上司の立場、それぞれのチームの言い分、メンバーの気持ち、自分の能力、会社の動き、社会の流れ・・・さまざまな思惑の中で自分の組織を立派に育てる必要があるのだから。いかに自分たち組織がやり遂げたことを「評価される・認められる結果」にするかは、自分たち自身にかかっている。組織の責任者は「結果を出す」ということについて徹底的に追求して、その上で組織作りに臨まないといけない。
会社の社長であれば株主から、管理職であれば自分の上司から、組織の中で働く人全てが顧客、上司、同僚、部下に自らの活動結果を「評価してもらう・認めてもらう」ことができないと、結果を出したことにはならない。その基本的第一歩が結果目標の設定である。繰り返すが結果を出せない組織は意味がないのである。