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今あらためて組織力が問われる時代に、”負け組をつくらない組織”の作り方を研究していきます。

1度で覚える習慣

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前回の記事の最後で「次は伝え方について書きます」としめたのだが、そもそも、他人から何かを教えてもらって自分が理解をするという時、理解が早い場合とそうでない場合では何が違っているのか?を考えてみた。

よく子供の頃、親にも怒られるときに言われた「何度言ったら気が済むんだ!」と。 大人になって良く分かるが、1度の注意で学習し改善できる子供なんて多分どこにもいない。ただ、大人になってくると確かに1回でミスを改善して正しい方向に軌道修正できる人とそうでない人に分かれてくる。仕事のできる人とできない人の典型的な差の一つである。何度も同じ失敗を繰り返しているというのは、本当に時間や労力が勿体無い。しかし、ここで勿体無いのは時間だけじゃない、むしろもっと大事なものが失われている。それは「信頼」である。子供なら許されていることももう我々は許されないのだ。10年くらい前に、会社に入って間もない頃に上司に言われた言葉が今でも強く頭に残っている。「同じ失敗を2度する奴は馬鹿だ!」とはっきり言っていた。その時は厳しい人だと思ったのだが、その上司は他人以上に自分自身にも同じように厳しい人だった。ミスを必ず誰よりも反省して研究して改善行動へ転換するエネルギーは並大抵じゃなかった。その結果、彼は誰よりも早く出世していき私の目標になった。彼の優れたところは失敗を成長チャンスへの転換する力だったのだと思う。

かの有名な本田総一郎の言葉である。ミスはしてもいいがそこから学ぶ=2回目をするなということである。

”ミスを犯した時反省するよりも、ミスから何かを学ぼうと意識をするべきである。ミスをしない人は単に何もしていない人なのだ。”

私は常に何事もわずか1回で頭に必ず定着させるという強い意識で普段生活をしている。強く意識しても100%は不可能だが、意識しないよりは絶対的に定着率は高いはずだ。人の顔、名前、場面、誕生日、電場番号、通りすがりの車のナンバー・・・など1回で理解をする訓練をしている。ちなみに、覚えるにもテクニックがある。フォトリーディング関連の書籍が数年前に流行ったが、要は写真を頭に保存するよう早く読みながらも理解する速読術だ。実際には、サラッと読み流しながらキーワードを探すという先を読み、2回以上繰り返すという手法だったように記憶している。私はこれに近いが、名付けて「ムービーリーディング」と勝手に名付けて実践している方法がある。五感に残る記憶を意識しながら映像で記憶するのだ。ポイントは、カメラのズームが寄ったり引いたりするように全体とディテールを交互に見て、記憶したディテールをパズルのピースを埋めていくようにして、つなぎ合わせ全体図を記憶するイメージである。(恐らく、いまいちイメージがつかない言う人が多いとは思うが・・・) 記憶法は人それぞれなのだが、いずれにしても自分なりの方法で良いので効率的な記憶術があると良い。(ちなみに、本当に天才的な頭脳の持ち主の中には、書いてあるその紙自体を食べて記憶するなんていう方法も聞いたことがある。真偽は不明だが。)

記憶に色々な情報が残っていたことで得をしたことも多くある。まずは脳が無駄なく動こうとする習慣がついてくるということだ。短時間で情報を目にして理解させるというのは、よく幼児向けの塾などでもやっていそうなことだが、ある種、脳の反射神経向上、筋力トレと同じで訓練でしか得られないことだろうと思う。ただ、一番良かったのは先ほど述べたように人の信頼を得ることが増えるということだ。もちろん、これは結果論なので信頼を得ようと色々と覚えたりする訳じゃないが、1度の機会で学習し理解することは、ここでは結果的にもっとも重要な意味を持つ。1度で覚えるということは、2つの条件が考えられる。覚える内容が物凄く簡単である場合、そしてあとは真剣に覚えようと努力した場合の二通りだ。例外的に。天才的な才能があれば、それこそ写真や動画のように脳に残すことは可能だろうだ、一般的には真剣に耳を傾け集中することが何事も短時間での習得には必要があり、結果として「いかに真剣に取り組んでいるか」という印象を周囲に伝えることとなる。

会社の中では、私は常に立場的に自分よりも上の人たちはどのように自分らを見ているかという一点を軸に自分の取るべき行動を考える。上司や会社からの信頼とは、やはり結果だけではない。むしろ、そこに至るまでの過程が要素としては大きい。部下の為に時間を割いて色々と教えてくれ成長を助けてくれる上司の時間とは、その上司の時間でもあるが同時に会社の時間とも言えるはずある。勝手に会社の資産を使い無駄にしてはいけないのと同じように、勝手にその上司の時間も無駄にしてはいけないという理屈も当然一理あると私は思う。加えて、自分の為に時間・労力を費やしてくれる相手に対しての礼儀としても、できるかぎり1度で覚えて自分のものにするべきなのだ。結果としては、その真剣に覚えようという姿勢が、人からの信頼を作ることがある。逆を言えば、同じことを何度も言われるような人は信頼されない。覚えられない原因は、覚える内容が難しく理解能力を超えている場合か、要はやる気がない場合だからである。 人を評価する場面になったら、どっちを評価するか? という問題なのだ。従って、徹底的に物事を1度のチャンスで脳に記憶する習慣を持つことは特に組織で働くサラリーマンにとっては大切なことである。

次回は、その記憶の定着率を劇的に上げるコーチング方法について書きたいと思います。

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