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IT業界でベンチャービジネスの支援をしている執筆者が日々の活動ログと感じたことを、徒然なるままに書き綴っていきます。

給与が上がらないは、多くの社員が収益に直接貢献しない業務をやらされているからだ。終身雇用文化が招く、転職もできない低収入縛りの罠

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細かいことを言い出したら、話がまとまらないので、ズバッっと核心だと思うことを書いてみたいと思います。

あくまで個人的に感じていることなので、私と違う環境の人たちは全然違う考え方もあるかもししれません。

物価が上がり、国民の給与が上がらないのは深刻な問題なので、多くの人たちが議論して、少しでも多くの会社が高収益化に進めばよいと思っています。

意見がある方は、是非、ご自身のSNSで展開してみてください。

まず、社員の給与の話をしてみます。社員の給与が30年間伸びていないというかむしろ日本全体でみると減っているという話をよく聞きます。海外では給与が上がっているのに何故日本の会社員の給与は伸びないのかという話なのですよね。いろいろな理由があるとは思いますが、一番の根幹は利益に直接貢献する業務に専念している社員の比率が少ないからです。本来外注するべき雑用を含む関節的に収益に貢献する業務をやっている人が多いからだと思います。

シンプルな話ですが、営業でも開発でもそうなのですが、会社としても直接的に利益に貢献する業務をこなしている社員がいたとします。その社員が増えれば会社は売り上げが伸びやすいですよね。その社員にもっと投資をしてレベルアップさせたり、労働環境を改善させれば、ある一定レベルまでは、収益が上がっていくはずです。そしてそういう高収益な社員には辞めてほしくないので、給与も高くなっていきます。

一方で、間接的に利益に貢献する社員はどうでしょうか?もちろん必要な業務だとは思いますが、会社としてはコストと思うのが本音です。その業務がコストであれば、会社としては安く使いたいと思うのが本音なので、それは給与が上がりません。

会社が投資をしない社員は成長が遅いので、生涯賃金も伸びません。

日本は収益貢献する社員の比率が少ないから、全体の平均給与が上がらないのだと思います。

つまり間接部門の社員構成比が大きいのが原因だと思っています。

そもそも社員のコストは給与の二倍くらいですよね。

会社によってまちまちだと思いますが、会社が負担する社会保険料や通勤費などもろもろ合わせると給与の2倍くらいのコストがかかっています。平均年収が450万円くらいなので、一人毎月 40万円くらいの給与でコストとしては80万円くらいです。 月80万円の金額で業務をアウトソーシングしたら相当なことをやってくれますよね。

ただ、毎月80万円の外注費を考えると、社員で雇ったほうが良くない?と考えてしまうのが日本の会社のダメなところです。

今後はAIの時代が来ますし、今今でもITで結構なことが自動化できます。

外注するないし、ITで効率化しないと、社員はあまり成長せずに、給与も上がらず、転職したくてもあまり成長していないので転職も厳しく、生涯低収入縛りの状態になってしまう可能性があると思っています。

社員でやるべき業務は、増員すれば売り上げが上がる直接収益業務のみがよいくらい

会社によっては社員数が多いほうが信頼があるからと言って、なんでも社員でやらせる会社もあります。収益貢献する業務を担当する社員は、手厚く支援されて成長していきますが、そうでない社員は悲劇です。転職したくてもいい転職先も決まらず、収益に直接貢献しないので給与も上がらず、やめることができずに会社に縛られる状態になりがちです。この状態は会社の非収益体制も作るので、会社としても悲劇です。

そう考えると、長く勤めてほしい社員には増員すれば売り上げが上がる直接収益業務を中心に配置し、それ以外は極力外注したほうが、収益体質と成長体質ができるはずです。

コロナで打撃を受けた会社は、この難局を乗り越えるべく、外注費カットをしているところが散見されます。それは仕方のないことかもしれません。しかし、コロナ明けが見え始めた今後は、攻めの体質に変えないと、収益が上がらない、競争力も出ない、積んでしまった会社になるはずです。

コロナの難局だからこそ、会社の体質を変えられるチャンスかもしれないです。

よくよく考えたほうが良い件だと思います。

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