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ソフトウェア上のイメージで捉える渋滞

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種田さんが大渋滞に遭われたとのことで大変なことだったかと思います。

狭い国土に多い車とお盆正月への休暇集中という逆境に逆境を重ねた我が国には渋滞学という学問もあるくらいでして、渋滞という現象の研究が進んでおります。

渋滞は1台1台の車が多数集まって自己判断と加減速という動きをすることで起こります。もちろん平坦な道路ではみんなでだらだらと進むだけですのでそのようなことはありません。合流や上り坂、トンネルといった引き金があると、人間の判断に時間を要することが正確でないこと等で大げさにブレーキを踏んだりしますし、またブレーキを踏んだ後の加速が悪かったり、世の中的にエコドライブということでまったり加速したりということで後続にまで影響が伝播していくというのが渋滞の原因であるようです。

おもしろいところでは「見物渋滞」というのがありまして、大規模な事故ですとか暴走族が集団で逮捕されるようなおもしろい光景があると反対車線が渋滞してしまうというのもありますね。

さていわゆる自然渋滞の発生の仕方をごく簡単に文章で伝えますと、何かの渋滞の源があってブレーキを踏んだ時にブレーキランプの発光や車間距離が縮まるという現象から「こちらもブレーキを踏まなくては」という情報が後続へとどんどん伝わっていきます。あたかも波紋のように渋滞という情報がバケツリレー的に繋がっていくのですね。

これが軍隊の行進のように美しく行えるのならば問題がありませんが、うっかりよそ見していて急ブレーキをする人ですとか過剰反応気味に車間距離を取る人、はたまた一旦ブレーキを踏むと加速に時間のかかる大型トラックのような色々な車が走る道路ではだんだんとブレーキ反応が大きくなります。皆さんも高速道路で「ちょっと混み合ってるなー」というくらいの時速50キロメートルくらいにスピードが落ちる区間を通り抜けて、自分は渋滞とまではいかなかったのに次のPA等で「5キロの渋滞」というご経験がないでしょうか?これが渋滞が成長している様子ですね。

運転が過激な人は高速道路でも車間距離が開いていると3桁のスピードで猛烈に突っ込んでいき、更に前の車を煽ったりしますね。ブレーキを踏まずに煽れれば良いのですが、そうも行かない場合にはブレーキランプがつきますので、後続のドライバーの何割かは「あれ?渋滞かな?」と思い、ブレーキを踏むまではいかなくとも若干アクセルを緩めるくらいはするかもしれません。そういった人間的な微妙な行動のひとつひとつが渋滞を生んでいるのかもしれないと考えるとなかなかおもしろいものです。

プログラミングが得意であれば、なんとなくソフトウェアでシミュレーションができるような気がしませんでしょうか?個々の車がどのように判断をするかをリアルタイムに近い形でシミュレーションしようと思うとものすごく大変ですが、仮に1秒刻みで前の車との車間距離に反応してブレーキかアクセルを選ぶくらいにしておくと簡単に組めると思います。台数が増えたり、ブレーキの強さが車間距離によって強、中、弱になって、そこからの速度にはそれぞれ3秒、2秒、1秒かかるような仕組みにするとあっと言う間に夏休みが終わってしまう楽しい渋滞シミュレータの完成です。

なお人間の目は前についていて、かつ、現実世界の車は安全サイドに設計してあってアクセルがいうことを効かないほどピーキーすぎるということはありません。ですので上に書いたような渋滞が発生します。もしシミュレータを作ったときに「後ろの車との車間距離を気にする(追突されないように)」という条件と、ものすごくピーキーでドッカンドッカン来るターボ車というイメージで条件設定をすると、ちょっとでも速度回復しようとすると一気に前の車との車間距離が詰まり、ビビった前の車がターボですっ飛んでいって更にその前の車がすっ飛んでいくという「逆渋滞」を起こすことができます。

シミュレータの世界現実世界ではぜひとも安全運転で。

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