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Oracle OpenWorld Tokyo 2012(1日目)『使ってみなけりゃわからない、大データ(BigData)実験で!』

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本日2012年4月4日六本木ヒルズを中心とした会場でOracle OpenWorld Tokyo 2012が開催されました。

Oracle OpenWorld Tokyo 2012
http://www.oracle.com/openworld/jp-ja/index.html

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先回のOracle OpenWorld Tokyo 2009は2009年4月22日と23日に東京国際フォーラムで開催されました。当時は ”まだ” Sun Microsystems社の買収が行われていない状況だったことを思い出すと今回のJavaOneとの共同開催、また、Oracle OpenWorld内でSPARCやSoralis、ZFS等の製品が発表されることはには時間の流れを感じます。上で「まだ」と書いたのはOracle OpenWorldの開催の数日前の2009年4月20日にSun買収が発表されたからです。

Oracle OpenWorld Tokyo 2009→紙のない東京国際フォーラム:一般システムエンジニアの刻苦勉励:ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/yohei/2009/04/oracle-openworl.html

Oracle OpenWorld Tokyo 2009→年間ダウンタイム3秒の世界へ?:一般システムエンジニアの刻苦勉励:ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/yohei/2009/04/oracle-openwo-1.html

 

更に思い出してみれば2009年1月がOracle Exadata V1の出荷開始であって国内事例はまだまだ少なく、私自身も期待感を持ちつつ本当に拡大するのかどうかまったくわからないという心境でした。

今回のOracle展示の目玉は・・・! (Oracle OpenWorld Tokyo Blog)←2009年の記事です
https://blogs.oracle.com/oracleopenworldtokyo/entry/oracle

そこから3年と3ヶ月が経ち、Oracle ExadataはV1、V2を経てX2という世代になっています。(X1はない、はず。)今年のはじめ、2012年1月には全世代をあわせたExadataの出荷数が全世界で1000台を超えたというリリースが出されました。

Oracle Announces 1,000th Installation of Oracle® Exadata Database Machine
http://www.oracle.com/us/corporate/press/422468

このExadataを中心とした「Engineered Systems」と呼ばれる製品群、具体的にはExadata、Exalogic、Exalytics、SPARC T4 Clusterが今回のOOWの目玉でありました。基調講演の中では『Oracleを含めた大手のITベンダー3社の年間のR&D予算が米国の巨大なユーザ1社の年間のIT投資に等しい』ということが言われていました。様々な企業がIT投資に力を入れて創造的な情報システムを構築し競争し合う状況は確かにおもしろいと思います。しかしそのうちの一部をOracleやそれ以外のITベンダーが自前で構築して提供することで、ユーザのIT投資がより創造的な部分に集中されるのだとすれば、私はそのほうがもっとおもしろいように感じます。

それに加え昨今の厳しい経済情勢がIT投資を圧縮する方向に働いており、ランニングコストを下げたいので運用を自動化したいというユーザ側からのニーズに対してITベンダーがTCOの削減に直結する機能を搭載することを進めているように感じられます。また、不透明な未来に対してはExalyticsのような分析基盤に対するニーズも増します。社員の一人ひとりのパフォーマンスを極大化するためには、経営層や一部の社員だけに高度な経営情報の分析結果を還元するという従来よく見られた意思決定スタイルだけでなく、現場に近いところに対しても、フレッシュで正確な分析結果を各所に配信するというニーズも強まるでしょう。

それだけではありません。自社内の基幹系システムが生み出す情報だけでなく、それ以外の様々なデータ、それも構造化データだけでなく非構造なデータも含めて分析に加えたいというニーズも強まるでしょう。センサー技術の向上やセンサー設置箇所の増加、Web上での行動追跡、クーポンの活用/死蔵状況、ソーシャルメディア上に投稿されるセンチメントデータ、監視カメラや水量、電気使用量、交通量、位置情報、などなど、極めて多くのデータ、すなわちBigDataが「使ってみなけりゃわからない」ソースとして今後投入されていくのではないかと思います。(タイトルはやってみなけりゃわからない、大科学実験で、とかかっています。)

これまでの場合ですと統計分析というのは学術的な知識と業務知識を有した上で、それをソフトウェアにより表現する技術を必要とするというのが一般的でした。それがITの進化で機械側にお任せしてしまって使えるような環境が整いつつあります。AというデータとBというデータに相関があるというようなことは、過去には業務知識から仮説や経験則として導きだすか、もしくは手当たり次第に試すしかありませんでした。それに加えてDBの容量や分析クエリの待ち時間を現実的なものにしたいという条件が加わり、あらゆるデータを投入して、お任せで洞察を得るというのはなかなか難しいことだったように感じます。

ちょっと私見が長くなりましたが、このように過去には絵に描いた餅であった機械任せのアナリティクス環境がEngineered Systemsにより実現される、私は基調講演からのメッセージをそのように受け止めました。Exadataに大量データを蓄積し、Exalyticsで分析するというスタイルでそれが実現されるものと思います。更に、これはDWHの専用環境としてしか使えないわけではなく、ExadataとExalogicを組み合わせればOLTPとしても利用ができるようです。(SPARC資産が多いのであればSPARC SUPER CLUSTERも。)

ここには書ききれませんが、技術的な所では現状のところ生HWで動作しているOracle ExadataのOracle LinuxがOracle VM上で動くようになるというような話や、Tuxedoがリホスト需要で盛り上がっているというような話、また、長年Oracleが温めてきた通称ハイペリことHyperionがビッグデータの波に乗ってブレイクしそうだ(しかも日本にはSAPユーザが多い)というところなどなど、刺激的な1日となりました。

今のところ、明日2012年4月5日で「これは聞きたい」と思っているのはこちら。

Oracle SOAを導入した先進的お客様事例のご紹介 - Oracle OpenWorld Tokyo
https://oj-events.jp/public/session/view/51

ちなみにセミナーの検索ページでキーワードの絞り込みを行うときに「SOA/BPM」を選ぶと該当がゼロ件になってしまうようで。。。

 

私は明日まで参加する予定です。明日もまた楽しい1日となることを期待しております。

↓このようなtwitterアカウントでつぶやいております。明日、六本木で私と話してみたいという方がおられましたらば@で話しかけてください。

http://twitter.com/#!/yohei_y

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