「光の道」を歩み続けて欲しい
『もともと地上には、道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。』という言葉が魯迅の小説にありました。といっても知ったのは中学校の国語の教科書ですが。
光ファイバーをあまねく張ろうという光の「道」で言い換えれば
『もともと地中には、ファイバーはない。通る情報が多くなれば、ダークファイバーが光るのだ。』
なんていうと意味不明ですね。それはさておき内閣改造ということで顔ぶれが定まりました。原口総務大臣は辞めてしまうそうです。私は「光の道」はIT技術者にとって優れたビジョンであり、たとえ主管大臣が変わろうとも同じ方向性に進んで欲しいと考えています。
クラウドコンピューティングという言葉を初めて聞いたとき、私はその意味がわかりませんでした。しかしネットワークを通じてコンピューティングリソースを使用するというモデルを知り、これから何が産まれるのか、自分なら何ができるか、そういったことで頭が回転し始めるのがはっきりとわかりました。
「光の道」も同じです。実は最初に聞いたときは日本版のInternet2のことだと勘違いをしたのですが、それはさておき、日本中に光ファイバーが張り巡らされたらということを考えたとき、クラウドコンピューティングのときと同様に自分なら何ができるか、日本はどう変わるのか、そういったことで頭がいっぱいになりました。
それが実現するのであれば、NTTでもソフトバンクでも新生電電公社でもどういった形で光ファイバーの管理がされてもいいのではないかと思います。今の時点で完成後の姿をすべて把握している必要もないと思います。それよりも「やる」ということを決めてその思いを共有することができれば、あらゆるIT技術者と、医師や教員など高速ネットワークの恩恵を受ける人たちとで情報交換が始まり、新しい何かが生まれ始めるのではないでしょうか。
twitterやブログなどを見ていると、特に報酬を得ているわけではないのにコミュニケーションを取って何かおもしろいことや新しいことをしようという人の多さに気づかされます。オルタナティブブログを通じて何やかんやと思いをつづっている私の行為もその末端に位置づけられるかもしれません。本当に新しいサービスを生み出したり、とてもボランティアベースとは思えない立派な勉強会を運営されているという話は珍しくありません。そういった立派な人々がいるのに、任期満了による代表選で内閣改造したので光の道は先送りします、となってしまうとしたらとてももったいないことだと思います。
「私たちはクラウドコンピューティングに一度救われた」
http://blogs.itmedia.co.jp/yohei/2010/01/post-6d93.html
というエントリを以前書きました。「光の道」も同じような希望を与えてくれると信じています。