refererから検索キーワードが伝わるということ
児童ポルノコンテンツをISPが強制的に遮断する「ブロッキング」が行われるかもしれないというニュースがありました。
ISP業界が一転、児童ポルノのブロッキング実施に前向きな姿勢を表明
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100518_367853.html
児童ポルノコンテンツの氾濫に歯止めをかけたほうがよいという考えの人は多いと思われますが、ブロッキングという手法を取ることには意見が分かれているように感じられます。今後の進展を見守りたいところです。
さてブロッキングと似たような技術にフィルタリングというものがあります。これは主に学校や企業などでインターネットを利用する際に有害コンテンツ等を見せないために用いられるものです。
有害コンテンツにも2種類あり、情報そのものが有害なサイトとウイルス等に感染する恐れのある危険なサイトに分類できます。ウイルス対策ソフトは完璧なものではありませんので、いわゆるアングラなサイトはそもそも接続できないようにしてしまうことで企業や学校のネットワークに有害なソフトウェアを持ち込む危険性を減らすことができます。
情報そのものが有害なサイトの場合、「有害」の定義が難しいところです。一般的には児童ポルノコンテンツのようなものがイメージされますが、学校で使うPCからは学校裏サイトのようなところはつながりませんし、企業で使うPCからはオンラインゲームにはつながりません。「目的外利用」というくくり方をされることもあります。
フィルタリングの精度が100%でないということもあり、利用者側からするとなかなかわずらわしい存在です。しかし普段あまり利用者に意識されていないメリットもあります。それは検索キーワード等を含む好ましくないリファラが相手に渡ることも止めることができる点です。
ブラウザからリファラが出る設定にしている場合、閲覧されるWebサイトにはリファラが渡ります。検索エンジン経由でWebサイトを来訪すれば、検索キーワードが相手方に伝わります。
例えば何らかの趣味のコンテンツに真昼間から企業系のIPアドレスからたくさんのアクセスがあった場合、そのサイトの管理者は「この会社の社員は大丈夫か?」と思うかもしれません。しかしどういった企業活動をしているかはわかりませんので、ひょっとすると新製品開発に関連するリサーチである可能性もあります。
そうした場合に検索リファラがつくと、リサーチなのかさぼっているのかがわかってしまうような場合もあると思われます。また、さぼっているにしても休憩中の昼休みくらいはWeb閲覧が自由な会社もあるかもしれません。それにしてもどうなのか?という検索キーワードを入れてくるような場合ですと、やはり「この会社の社員は大丈夫か?」と思う事態に至るかもしれません。
最後に。
会社からWebサイトの閲覧をする際のIPアドレスを調べてgoogleで検索すると稀にIPアドレスを記録、公開するタイプの掲示板が引っかかる場合があります。掲示板への投稿はフィルタリングソフトの規制対象になっていることが多いのですが、時にすり抜けられる場合があるようです。特に社員数の多い会社にお勤めの方は見つかりやすいと思いますので一度お試しください。