和紙を柿渋で固めたチリトリとシュロのほうきとルンバ
佐川さんのブログを読んでいたところ、酒袋のバッグを見つけたとありました。
その中に「柿渋」という文字が。我が家にも柿渋グッズがありましたので写真を撮りました。
こちらは「はりみ」という紙製ちりとりです。番傘のように和紙の上に柿の渋を重ね塗りして固めたもので、とても軽い上に丈夫なのです。しかし良いところはそれだけではありません。プラスチックのちりとりと比べると和紙は静電気をほとんど起こしません。そのため集めたほこりや髪の毛はゴミ箱にすっと落ちます。多少の水気は大丈夫なようですが、長持ちさせたいので濡らさないよう気をつけて使っています。
さて「はりみ」にゴミを集めてくる道具はこちら。
ルンバとほうきです。ルンバは別に変わったものではありませんが、ほうきは棕櫚(シュロ)を使ったものを使っています。ルンバを買う前は日立製の紙パック掃除機を中心に使っていたのですが、今は部屋の片隅で眠った状態になっています。やはりきちんと作られたほうきはいいですね。東京ですと京橋に「白木屋傳兵衛」というほうき屋さんがありまして、そちらで「はりみ」とシュロぼうきが買えます。
そういえば柿渋で思い出したものがもうひとつありました。柿渋はその防腐作用等の効能によりもてはやされ、古くには年貢として収められるほどだったそうです。今でも田舎に行くと黒塀で囲われた大きなお屋敷がありますが、あの色は柿渋に灰を混ぜて作られた防腐剤を縫った色です。以前は身近な防腐剤として広く使われたようですが、今ではペンキのほうがずっと安くて塗りやすく防腐性能も高いことでしょう。しかしアレルギーを起こしにくいなどの特徴から、高級塗料として復活しているようです。
ただし以前は地方により柿渋に混ぜる灰や松脂の配合に違いがあり、黒っぽかったり赤っぽかったりという文化的な特徴も持っていたようです。その土地土地でどのような色が好まれていたかということは残念ながら失われてしまったと思われます。ちなみに有名どころでは熊本城の壁の黒い部分が柿渋に墨を混ぜた渋墨塗りだそうです。