日本で見つけたもの3:酒袋のバッグ
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旦那がお義母さんへのお土産を探していた時、ふと見かけたバッグ。とてもしっくりする色なので手に取ってみた。
「このバッグは酒袋でできています」との説明書きがついている。酒袋って何?
もろみを絞って酒と粕にわけるのに、昔は酒袋を用いていたらしい。以下は白鶴酒造のウェブサイトからの抜粋。
「酒袋とは、簡単に言うと酒を絞る時に使われていた綿の布の事です。しかしこの綿の布はただ単なる布ではなく、大糸を荒めに織った手織木綿に柿渋(かきしぶ)を塗るという工夫がなされていました。
まだ青いうちの渋柿の果実を砕いて絞った液を、発酵・熟成させた液が柿渋なのですが、この柿渋は布や繊維を固めて丈夫にしたり、防水力を与える防水剤、繊維を腐らせないようにする防腐剤等の役目をしてくれます。従ってその昔は酒袋に使われていただけではなく、網や和傘、染料用の型紙などの水に関係あるものには必ず、この柿渋が塗られていたほど生活には欠かせないものだったようです。昔の人の知恵はすごいですね。現在の酒造りにおいても柿渋は、できた酒中のタンパクを沈め、透明な酒にしてくれるという役目をしています。...」
自動もろみ圧搾機の普及によって使われなくなった酒袋。でもとても丈夫で、防水性もあるため、最近ではかばん生地に用いられたりしているという。
何十年ものお勤めを果たした後、こうして新たな役割を担うに至った酒袋の生地。この新しい出会いに、なぜか懐かしさを感じる次第です。
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