チャンスは不公平なものだけどチャンスのチャンスは平等にやってくるよね
オルタナブロガーのトラパパさんがこんなことをおっしゃっていました。
みんな苦労しているし、努力していてもその労力の順序に成就するとは限らないし、ラッキーで楽できている人も中にはいるだろうけど、
「不公平な世界の中でもそれを悲観せずに前向きに努力を継続できる人に現状打開のチャンスは公平にめぐってくる」
と信じています。
この師走に不景気を嘆いているばかりでは、来年も運なくそのまんまになっていくことでしょう・・・(トラパパ@TORAPAPA)
マリコさんもこんなことをおっしゃっていました。
1月1日も7月6日も同じ1日であることには変わらない。しかし、「きっかけ作り」という観点では随分違う。
人間の能力の個体差は実は大したことがないと思っている。しかし、思ったこと(思わないこと)を実際の行動に移せるかどうかでパフォーマンスの差はどんどん開いていくと思う。
とても感銘を受けました。今までおぼろげながらに同じようなことを感じることがあったのですが、言葉にするとこういうことだったんだな、と思います。自分の言葉で言い換えれば
「チャンスは不公平なものだけれども、チャンスを掴むチャンスは平等にやってくるんじゃないかな」
ということです。
先日のフィギアスケート日本選手権の女子シングルの結果でバンクーバーオリンピック代表の残り2枠が決まりました。これまでこつこつと確実な成績を築きあげてきた中野友加里選手と、不調を乗り越えてきた鈴木明子選手。トータル3年分くらいのポイントを積み重ねれば中野友加里選手のほうが上回ったかもしれません。しかし今シーズンに入っての鈴木明子選手の好調ぶりは素人目に見て中野友加里選手を上回りそうに見えます。このタイミングに合わせて好調ぶりをアピールできた鈴木選手はチャンスをものにした、と言うことができます。
そのチャンスを得るためには多くの機会があったと思います。安藤美姫選手は事前に代表への枠を決めていました。浅田真央選手は年齢制限というルールで先回の代表入りを逃しましたが、今回は周りを心配させつつも代表になっています。鈴木選手は不調を乗り越えて素晴らしい笑顔を見せてくれました。
安藤美姫選手も肩の故障を抱えて不安な時期があったことと思います。それでも五輪へのメダルをゲットしました。浅田真央選手も4年前に五輪に出られればメダルが期待できるけれども年齢制限で出場できないという状況から4年間スケート技術を磨き続け、今回の選考に至りました。中野友加里選手もグランプリシリーズや世界選手権などでの優勝こそありませんでしたが何度も高順位をキープしていました。
毎年オリンピックがあれば、もっと枠があれば、このようにドラマティックな選考劇はなかったかもしれません。しかし4年に一度、日本から3人という枠は自分自身にはどうしようもないものです。また、ライバルがどれほど調子をあげてくるかわかりません。そんな中でいかに自分を鼓舞し、目標に追い立てていくかというところでは選手の方々は本当に素晴らしいものをお持ちであるように感じました。
なにせほとんど同じようなポイントで並ぶこともありえます。最後の大会の直接対決での勝敗は大きな影響を与えるでしょうが、その前の1,2年の勝敗というところも十分に考慮されるでしょう。2位3位がたくさんあって優勝が少ないことと、一時期素晴らしい成績を誇って不調に陥ってしまったということでどちらが重視されるかは事前には予想できません。また、逆境を克服してふたたび素晴らしい演技を見せられるようになったことがどれくらい重視されるかもわかりません。ひょっとすると逆境に陥ったことだけをマイナス要因とされ、復活したことは評価されないかもしれません。それでも精一杯やる。そうでなければ道はないのは確かです。諦めたら終わり。そんな不確かな道を歩んできたスケーターの方々は代表の3名も、その他の方もすごいですね。
我々の仕事も同じようなものかもしれません。準備が完了していなくても、ある日突然、自分が必要とされることが来るかもしれません。マリコさんのおっしゃるように、1月1日からがんばろうと思っていたら今日、その能力が必要とされてお客様をがっかりさせるかもしれません。トラパパさんのおっしゃるように、どうせこんな不況だから確実そうな継続案件を守っていこうとしていたら、新しいお客様を満足させるサービスが提供できないかもしれません。
ふらっとチャンスをつかんで嬉しそうにしている人が周りにいるかもしれません。しかしチャンスが来たときにそれをつかむだけの力を蓄えていたことは、その人自身の実力であると言えるでしょう。チャンスを掴むためのチャンス、それは平等にやってくるのだと思います。その時まで十分に備えていた人はその瞬間をチャンスにすることができ、ふらふらしている人はチャンスが来たことも認識できないままに「あー俺にはチャンスが来ないなー」って思いながらが周りを呪ってしまうんじゃないでしょうか。
オリンピックは最初から時期も選考基準も明らかです。ルール改正というりすくしかありませんので、ライバルとの競争は熾烈を極めます。ビジネスでは何がどうなるか見えないまま、自分と会社のビジョンを信じて突っ走ることになります。どっちもつらいですし簡単ではないですね。強いて言えばスケート選手と違って多少は自分で行き先をコントロールできる分、ビジネスマンのほうが気楽でしょうか。
そういったことを考えると、いかに自分がさぼってきて不勉強だったかという後悔の念が浮かんできます。しかし心を落ち着けて考えると、これまで生きてきた中で学んだことは何もかも無駄じゃなかったんだなという思いも見つかります。そりゃ未来から過去を振り返って「あのときこのことを勉強しておけばもっと役に立ったのに」ということは簡単ですが、そんなこと当時は見渡せませんよね。予兆があったのなら悔しいですが、そんな予兆を感じ取れたことなどまったくありません。チャンスのチャンスにはわりと敏感にやってこれたのかな、そんな風に思います。オルタナブログ参加とか(笑)
来年もこの調子でがんばろー。そして1年後も「来年もこの調子でがんばろー。」と言える年を送ろう!