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ワンマン運転の電車のアナウンスがあやしいとCRMに思いを馳せたくなる

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先日、あるワンマン運転の電車に乗ったところ混雑でノロノロ運転となっていました。ノロノロ運転ですので前の電車との間隔調整などあるのか、信号が変わるのか、私が座っている先頭車両の前寄りの座席では運転台から「カンカン」という音が聞こえます。

ここまでは普通のことなのですが、車内アナウンスが若干怪しかったことが印象に残りました。おそらく前に集中しているのですが、「ただいまー、えー、前のー、くるまー、あー、でんしゃにー、でんしゃとのきょりがー、接近しておりますのでー、せっきん、せっきんしておりますのでー、でんしゃが止まることがあります。吊り革に(略)」

というような状態で、ちょっとドキドキさせられました。車内アナウンスは結構ですから運転に集中してください、と言いたいくらいの思いです。バスと違って電車の運転手さんは路線によっては車掌がアナウンスを行い、運転手は運転に集中するという業務形態ですので、ひょっとすると慣れない方だったのかもしれません。

オルタナブロガーの竹内さんがこのような記事を書いておられました。

http://blogs.itmedia.co.jp/takeuchi/2009/12/crm-de2c.html

生死を分ける、CRM によるリスクマネージメント:Software Development:ITmedia オルタナティブ・ブログ via kwout

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CRMというと我々の業界では顧客関係マネジメントシステムを思い浮かびますが、竹内さんがご紹介されているのはCrew Resorce Managementのほうです。

CRM とは、簡単に言うと「問題に対処するときには、その場にある "リソース" を最大限に利用しなさい。」という考え方である。飛行機が飛んでいる間に予想外の事態が発生した場合、機長にとって使えるリソースは限られている。外から飛行機の状態を見ることはできないし、機械の問題を修正する整備士もいない。そのようなときに機長が使えるリソースのうち最も有用なものは、隣に座っている副操縦士であり、場合によっては客室乗務員である。機外に目を向けると、飛行機と交信している航空管制官もいる。CRM は、これらのリソースから情報を引き出し、その情報をもとに最終的な判断をすることを機長に求めている。

私がこの車内アナウンスから不安を感じたのは、限られた運転手のリソースが運転以外の部分に向けられたように感じたからと思います。実際にはワンマン運転化にあたって私のような素人でなく専門的な観点から検討が加えられ今の形になっているのではないかと思います。

こうした考え方は航空機や電車の運行だけにとどまらず、普段のビジネスの遂行であったり、システム開発であったり、はたまた家族旅行の行き先を決める場面であったり、どこででも当てはまることと思います。自分に見えないところは他人に見てもらわないといけませんし、見てもらうからにはその人の人格を尊重しなくてはなりません。以前竹内さんと飲みながらお話した際にはこのような話を聞きました。

飛行機が火事になり、機内に煙が出た。客室乗務員が「貨物室から煙が出ています」と報告をしたら機長が「なんで燃えてるんだ!」と大声で怒鳴った。そんなことをしていたら客室乗務員は萎縮してしまい、次に炎が噴き出すところを見かけても報告を躊躇うかもしれない。

上司があまりに一生懸命机に向かっていると、特に言いづらいことは報告がしづらくなるかもしれません。父親が家でしかめ面をしていると、子供はいじめの話をしづらくなるかもしれません。車内に不振な荷物があっても、ホームの駅員さんは整列乗車の整理でいっぱいいっぱい、運転手さんは運転でアナウンスも怪しい、となれば発見した乗客も「まいっか」で済ませてしまうかもしれません。

情報漏えいなどの不祥事が起きた際、記者会見で「前兆を示す報告はありませんでした。想定外です。」という言葉が出ることがあります。もしそのような体制の下で不祥事が起きてしまったのだとすれば、情報が引き出される経路はあったのか、話しやすい雰囲気があったのか、そういった観点から改善を目指していくのがいいのではないかと思います。

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