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私の好きな日本料理は味噌がついたものです

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ばんちょ~より、好きな日本料理は?というお題が出ておりました。はい。味噌です。名古屋人に聞くのは野暮というものだと思います。

事務局だより > あなたの好きな日本料理は? : ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/jimukyoku/2008/05/post-5d74.html

そういえば、と思って過去のエントリを検索してみると、味噌を仕込んだ記録を掲載していました。オルタナティブブログに投稿されたものとしてITとの関連性は不明ですが、時には勢いというのも大切であると思っています。

一般システムエンジニアの刻苦勉励 > 【雑談】今年も味噌を仕込んだ : ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/yohei/2008/02/post-dfbe.html

本当はあまり開けてはいけないのですが、ばんちょ~のために特別公開いたします。

味噌
こんな状態に新聞紙に包んであります。

味噌
蓋がしてあります。

DSCF1991.JPG
このようにラップに覆われています。カビも極少なく、良い出来です。(手前味噌)

味噌
ラップの中までお見せします。たまり(水分)が上がってきて味噌の匂いがします。

部屋の中に味噌の匂いが充満していますが続けます。

日本の主食である米は味が薄い事から、おかずがないと食べにくいという特徴があります。また日本の国土は夏になると高温多湿となり、食品の保存の難易度が高いという特性があります。このことからか、日本国内では発酵食品が発達し味噌以外にも醤油、なれずし、各種漬物、しょっつる、くさや、納豆など様々な味の良いおかずを生み出してきました。そしてその保存性から冬の間の保存食料としても活躍しました。

また、炭水化物ばかりではビタミンやアミノ酸が不足しがちな生活となりますが、世界各国に微生物の力により栄養の偏った食品から栄養豊富な食品を生み出す方法が伝わっています。特に有名なものとしては極北の地で食べられるキビヤックがあります。もやしもんで紹介されて一躍有名になりました。これらの発酵食品の作り方と、発酵食品により健康が保てるという効用については誰がどうやって編み出したのかとても興味深いところであります。

キビヤック - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%93%E3%83%A4%E3%83%83%E3%82%AF

これら発酵食品は同量の穀類と比較しても商品価値が高いという特徴があります。また、地理的特性やノウハウの秘匿により地方限定の食品が生まれ、それらはその貴重さから高い交換価値を持つこととなりました。これらの発酵食品は農村と農村の間での商業的な交流を促進し、おもしろい文化を生んだと考えられます。

例えばこれです。

河豚の卵巣の糠漬け - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E8%B1%9A%E3%81%AE%E5%8D%B5%E5%B7%A3%E3%81%AE%E7%B3%A0%E6%BC%AC%E3%81%91

なぜそこまでして解毒したいのか気持ちがよくわかりませんが、美味しいのではないでしょうか。食べた事はありません。

発酵食品とは少し視点がずれますが、保存が利く食品のおもしろいものと言えばこちらとこちらです。

ワニ料理 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%8B%E6%96%99%E7%90%86

鮑の煮貝 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AE%91%E3%81%AE%E7%85%AE%E8%B2%9D

ワニ料理は、サメを中国地方の山間部で食べる文化です。サメはアンモニアを含むために腐るのが遅く、冷蔵庫のない昔には山間部で食べられるお魚として貴重なものでした。鮑の煮貝は海の無い山梨県で食べられる貴重な海産物でした。

こんな感じで数多くの発酵食品を生み出してきた日本人は、旨み中毒と言えるほどアミノ酸が大好きで味の素なんていう調味料まで発明してしまいました。その正体や、旨みを感じる細胞を直接刺激する物質そのものを取り出してしまったという人類史上初、前代未聞、究極の調味料であると言えます。これらの流れから、我々は世界的に見ても大変グルメな文化を確立しつつあります。日本料理と言っても具体的なものを思い浮かべづらいのは、イタリアンから中華まで様々な料理が身近に揃い過ぎているからかもしれません。その文化を作った張本人、発酵食品から代表として味噌をエントリさせていただきます。

なお、このエントリを書くにあたっての知識は同志社大学商学部の教授であった藤田貞一郎教授の「商業史」で学んだ知識がほとんどです。高齢により退官されたとのことですが、在学中はお世話になりました。

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