マキャベリを持ち出して特別措置法への不安を煽るマスコミに呆れつつ、専門家会議の人たちの実直な姿勢に感謝した春分の日
世の中には多様な考え方、立場があると理屈では分かっているつもりですが、朝日新聞の小滝ちひろ編集委員が、Twitterで「戦争でもないのに超大国の大統領が恐れおののく。新コロナウイルスは、ある意味で痛快な存在かもしれない」と投稿したというニュースには驚きました。
この投稿を受けて朝日新聞はこのような謝罪を掲載しつつも、
今日はこんなタイトルの記事を掲載しています。
マキャベリ、ロックも反対する?安倍政権の緊急事態宣言 [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
新型コロナウイルスの感染拡大で、欧米各国で国境の封鎖や集会・外出の禁止といった措置が相次いでいる。日本でも法改正により、「緊急事態宣言」を出せば移動の自由などを制限することが可能になった。権力者による私権の制限はどこまで認められるのか
何回か書いてますが、現在の政府の施策を批判するのは簡単です。
ただ、これまで日本の対応を批判してきた欧米諸国が、現在の日本とは比べものにならない厳しいソーシャル・ディスタンシングを実施している事実をまず見るべきだと思います。
マキャベリと言えば「君主論」ですね。この名前を出すということは、傲慢なイメージを想起させるためかな...と感じるのはわたしだけでしょうか。
昨日配信された専門家会議の会見を見ました。
質問を含めると2時間の長さとなるのですが、海外メディアからの質問に専門家の方が答える箇所がとても印象的でしたので、紹介しておきます。
皆さんと話し合いたいと思っているのは、すべてのバーが閉鎖されるようなアメリカのような状況が長期間持続可能かどうか?ということです。
おそらくそうじゃないと思います。
経済的インパクトがあまりにも大きすぎて、そのような行動の自粛という範囲よりも、より強固な、行動の制限というものは、長く続けることができません。
ただ、流行はパンデミックを起こしているので、一定の期間長く、何らかの形で行動が変わらないと、流行が拡大してしまうというのは事実です。
で、いま私たちが、何とかして日本モデルで活路を見いだそうと思っているのは、社会経済機能を何とかして維持出来る形で、皆さんの行動でも無駄な部分を出来る限り省いて、そこでしわ寄せを得る社会的弱者を助けながら、何とか持続可能な道を探れないか?ということを、科学者が寄り合ってクラスター対策班というのを組織して必死に模索しています。
おそらくそこにオプティマルな答えがあると信じて、まだ見ているんですけれども、大変厳しい状況だと思っているのですけれども、少なくとも、いまの質問に関して僕がお返事出来るのは、
長期間持続可能なオプションというのを、いま必死で考えていますし、それは国民の皆さんが簡単に譲歩出来るものではないかもしれないというのも事実であるので、そのへんは皆さんで合意をするプロセスというものを専門家としても作っていかなければならないと考えています。
是非映像もご覧いただきたいと思うのですが、高圧的に行動の制限を押しつけている訳ではなく、専門家の方々はとても真摯に、そして熱心・実直にこの問題に取り組んでくれていると感じるのですがいかがでしょうか。
1:41:24 あたりから
先週iTunesにこちらの映像の日本語字幕が付いたものが有料配信されているのを見つけて見てみました。(英語が分かる方であれば、Youtubeで無料でご覧いただけます)
iTunesのリンクはこちら
上記の映像にも出てきますが、こんな形で強制的に連行されるような事態は、感染拡大の押さえ込みに一定の成果が出つつある日本においては想像しにくいですよね。
新型コロナの発生を指摘した医師が中国の警察に処分されたことは周知の事実です。
緊急事態宣言が持つ拘束力についての懸念があることも事実かとは思います。
他方で、中国から専用機で帰国した人が検査を拒否したり、感染を自覚したうえで外出する人であったり、マスク不足を筆頭とする買い占めや転売の問題などについても何かしらの対処が必要だとは大多数が感じていることだろうと思います。
幸い日本においては感染拡大を防止するために、上記の映像のような事態にならずに済んでいる現状と、専門家の人たちがバランス感をもって課題解決に取り組んでもらっている姿勢にありがたいと感じました。