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ブッダ作り上げた組織論(年功序列制度)が興味深い

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先日経団連が終身雇用はもう続けたくないという発表をしたことは、大きなニュースとして報じられました。

終身雇用とセットで語られることが多い、年功序列についても現代の日本においては否定的に語られる場面が多くなっているように感じます。

Wikipediaを見ると、波頭亮氏の「経営戦略論入門」から戦後出来上がったシステムだと紹介しています。

日本の年功序列制度は戦後になって出来上がったシステムである

今回たまたまYoutubeを検索していて見つけたのですが、年功序列による組織運営について興味深い内容があったのでご紹介したいと思います。

仏教における組織「サンガ」の運営方針はブッダの死後においては、新参者が先輩を敬うべきとする、出家もしくは、入信したタイミングを重要視する方針になったそうで、番組内のテロップでは以下のように紹介しています。

上下関係が乱れるので
年功序列による呼び方の違いをここで設定

制度運用としては、以下のような考え方で

  • 僧侶になった時期が早いか遅いかだけ
  • 修行して立派になるお坊さんもいれば、ぐうたらなお坊さんもいるが、それはまったく関係なし。(ぐうたらなお坊さんでも30年、40年サンガで暮らしていれば、やがて一番上に座る)

なぜ上下関係が必要についてゲスト解説者の花園大学教授の佐々木閑氏は以下のように解説しています。

  • 単に座るときの席順がスムーズに決まる
  • 物を分配するときに上の人から順番に配っていく
  • など、サンガの運営における序列に過ぎず、個人の資質はまったくそこに反映しない。
  • 上にあがることの意味がなくなる
  • なので、サンガの中では権力闘争が起こらない。

そして、こちらのような考え方を提示しています。

ライバルを蹴落としてシェアを拡大するような場合には能力主義がいいんでしょう。

しかしながら、その場を100年、200年維持していくことが、その組織の目的だというならば、こちら(サンガ方式)のほうがいい。

たしかに、組織運営の効率化という観点で、席次や配分の順番だけなど権力と結びつかない入信年次による序列管理は一定の有効性がありそうです。

また、100年企業など存続の長さを気にする傾向が強い日本企業においては、やはりこの制度のほうが相性が良かったのだろうとも推測されます。

悩ましいのは、番組内ではこれを「年功序列」として紹介しているのですが、冒頭紹介した戦後にできたとされる「年功序列制度」と同じして扱って良いものなのか、現時点では素人のわたしにはわからないこと。

Wikipediaで紹介されていたジェイムズ・アベグレン『日本の経営 I』と併せ、1958年以前にサンガにおける組織運営方針を紹介した文献が存在するのかまずは調べてみたいかなと思います。

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