メルカリに続いて「いきなりステーキ」の海外展開苦戦のニュースからふと考える「確率思考の戦略論」の存在
昨年12月メルカリがイギリスの事業から撤退したというニュースが報道されたのを覚えている方も多いかと思いますが、ペッパーフードサービスが8年ぶりの赤字だそうです。
記事を見ると「いきなりステーキ」の米国進出がうまく行っていないことが一因のようです。
ニューヨークに集中的に進出したものの、サンドイッチなど安価で素早く食べられるランチを好む顧客のニーズに合わず業績の悪化を招いている模様。
ペッパーフードサービスはニューヨークの株式市場にも上場するなどアグレッシブな取り組みをしていますが、昨年10月時点から苦戦している様子はWBSなどで報道されていたようですね。
ビッグデータというワードが出始めたのは何年前くらいでしょうね?そこに輪をかけるように、マーケティングの必要性と併せデータドリブンとか、経営において統計データの活用の重要性が語られる機会が多くなっていると感じます。
先日統計に関連した記事を書きましたが、
日本でこのような取り組みを組織的に取り込んで成果に結びつけている企業はかなり少ないのかもしれません。
特にBtoC方面のマーケティングに関わる方であれば、「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」を手にされた方は多いのではないかと思います。
ご存知ない方にはかなりのページ数があるのでどこをご紹介するか非常に悩むのですが、著者の一人である森岡さんは、「ビジネス戦略の成否は『確率』で決まっている。そしてその確率はある程度まで操作することができる」としていて、勝てる確率の低い戦いはできるだけ避けて、勝てる確率の高い戦いを選んでいるとも書いていますね。
メルカリ、ペッパーフードサービスはそれぞれの勝算が描ける仮説を何かしらのデータから得たから進出に踏み込んだのでしょうし、それに至る過程でテストマーケティングなどを行っていないとは考えにくいので、断片的な報道からだけではどこに問題があったのかを判断することは止めておきましょう。
人が食事をする回数は基本1日3回。そのうちどれだけの回数をニューヨーカーがランチもしくはディナーをするブランドとして「いきなりステーキ」というブランド選択をしてもらえる回数、確率を高めていくことができるのか...
米国でビジネスを展開するのにペッパーフードサービスの経営層がこういう数字を検証していないとは考えにくいので、今後はデータの中から勝てる確率の高い戦いを見出しもらい、今後の巻き返しを成功させてほしいものです。