リンダ・グラットン来日!『ライフ シフト』発売記念「100年時代の人生戦略」に参加してみた
100歳人生 私達はどう働いていくのか
昨日(10/27)開催された、リンダ・グラットン来日!『ライフ シフト』発売記念「100年時代の人生戦略」に参加してきました。
人間の寿命は10年ごとに2年伸びているらしいのですが、つまり20歳の年代の人たちの場合、100歳くらいまで生きるのが普通の社会になるようです。
ということは、100歳人生の時代においては、65歳で引退するなら貯金がたくさん必要になりますし、80歳、はたまたそれ以上の年齢まで働くのが普通の社会になる可能性があります。
リンダ・グラットン氏は、この100歳人生の到来にあたり、現代社会における3つのステージ(学校・仕事・老後)だけでは対応しきれないとしており、これには誰しも同意するところではと考えます。
つまり、戦後から高度成長期の日本において理想とされてきた、エスカレーター式に有名大学から有名企業に就職していくようなモデルでは社会メカニズムに対応しきれなくなるという話しにつながってくるわけです。
全体傾向として、100歳時代を前向きに捉えてはいる同書ではありますが、知識労働で著者が主張する無形資産をちゃんと積み上げられた人は良いかもしれませんが、80歳まで働く社会は厳しい側面もあることも事実です。
人口減少時代の働き手の確保、生産性の向上に取り組む日本において、ここに80歳まで働く100歳時代という課題が加わったとき、国・企業・個人のすべてにおいてマインドセットの書き換えが必要になるでしょう。
100歳時代の生き方モデルであったり、ギャップイヤーの必要性などなど、ここで考えられる施策については同書を読んでいただければと思います。
失われた20年ではなく、新しい社会への移行期間としての30年
この日開催されたパネルディスカッションでは、浜田敬子氏(朝日新聞社 総合プロデュース室 プロデューサー、AERA前編集長)をモデレータとして、パネリストにはこちらの方々が登壇され、さまさまな話題で意見交換がなされました。
- リンダ・グラットン氏
- 安倍昭恵氏(内閣総理大臣夫人)
- 安田洋祐氏(大阪大学大学院経済学研究科 准教授)
- 池見幸浩氏(株式会社grooves 代表)
様々な主張が展開されるなかで自分にとって印象的だったのは、
社会が変革するには世代が変わる時間として30年が必要であり、失われた20年ではなく、新しい社会へと移り行く30年と捉えることができるのでは(安田氏)
これからの時代、人世においては有形資産ではなく、無形資産がよりよい人生を送るためには必要ではないのか(リンダ・グラットン氏)
というような話題でした。d
20代から80代まで働く社会では、1人の人間が頑張り続けて結果を出し続けることのハードルが非常に高くなる社会
リンダ・グラットン氏は産業革命で人は変わった。人間がロボットのようになったが、今度は機械が人間を超えるような社会が到来しつつある。そこには様々な格差があることはわかっており、見直す必要があることは明白だが答えはまだわからないと語っていました。
100歳人生をよりよく過ごすためには、3つのステージ(学校・仕事・老後)のほか、学び直しなどのステージが必要となり、ここには生涯の再研修のための給付金のような公的支援であったり、夫婦が協力して家計を支え、育児を担当するなど人生全般での共同事業としての考え方や取り組みが必要になってくるでしょう。
常々、日本の過度な正社員志向に疑問をもっている私ですが、少なくとも日本におていは、正社員として雇われれば安泰という考え方はこの10年のうちに使えなくなると考えたほうが良い気がしますし、その先を見越した準備が必要だろうと感じた夜でした。