世界のトップアスリートがノーCGで繰り広げる前代未聞のアクションムービー「X-ミッション」が訴えたいこと
映画「X-ミッション」のマスコミ試写会にご招待いただいたので喜んで参加させてもらいました。世界のトップアスリートがノーCGで繰り広げる前代未聞のMG(マジガチ)アクションムービーというのが見どころの作品とのこと。
3D作品で見る「X-ミッション」で繰り広げられる、超特大の波に乗り出すサーフィン、山頂から滑空するウイングスーツ、絶壁を滑走するスノーボード、人間業とは思えないロッククライミングなどなど、スポーツとは縁遠い自分であっても驚く映像の連続でした。
昭和40年生まれのわたしは、特撮ヒーローの番組で育った世代。ジョージ・ルーカスは初期制作作品の特撮技術に不満があり、その後CGによるリアリティ追求を追い求め、何でもかんでもCGでやってしまえば的な作品制作の方向性については一部懸念も示されてもいるようです。
その昔、CGが俳優の代役をすることについてハリウッドでは確か組合側が俳優の出番の減少につながるとして問題視していた時期があっと記憶しています。このようにCGが普及は映画の発展に大きく寄与しましたが、リアルな映像による作品作りという観点においては問題提起の側面もある訳です。
「X-ミッション」は娯楽映画として楽しんで観るだけでも十分でありますが、実写による映画作りの可能性を考えるという観点からも重要な作品と言えるでしょう。
また、基本的なストーリーは1991年公開の「ハートブルー」のリメイク作品で、FBI捜査官と銀行強盗という、正反対の立場の人間の友情を描いた作品。
「ハートブルー」はL.A.が舞台だったのに対し、「X-ミッション」は世界11か国でのロケーションを行いながら、「オザキ8」と呼ばれる8つのミッションが作品の背景に西洋的な思想と仏教的な思想を織り交ぜた形で描かれていきます。
オザキ8
- フォースの噴出
- 空の誕生
- 大地の覚醒
- 荒れ狂う水
- 風の躍動
- 氷の生命
- 六命の極意
- 究極の信頼
8番目の「究極の信頼」に至るまでに、示唆的なセリフと共にストーリーは展開していきます。
ネタバレしてしまうとあれですんで、予告編で公開されている範囲でこの辺に触れておくと、
アップルのカリスマ、スティーブジョブズは生活に禅を取り入れていたのは有名かと思います。そして彼のスタンフォードでのスピーチのこの言葉をご存じの方も多いのではないでしょうか。
私は17歳のときに「毎日をそれが人生最後の一日だと思って生きれば、その通りになる」という言葉にどこかで出合ったのです。それは印象に残る言葉で、その日を境に33年間、私は毎朝、鏡に映る自分に問いかけるようにしているのです。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」と。「違う」という答えが何日も続くようなら、ちょっと生き方を見直せということです。
自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つのです。なぜなら、永遠の希望やプライド、失敗する不安...これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。本当に大切なことしか残らない。自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。我々はみんな最初から裸です。自分の心に従わない理由はないのです。
人間は死から逃れることはできません、その死を迎えるまでどのような選択を行うのかをこの映画も問いています。
人は誰でも死ぬ、問題は死に様だ
映画「X-ミッション」は究極のアクション作品として高い評価を受けることでしょう。わたしとしては、世界中の自然を通じた映像美と共に人間としての生き方の考え方を問う作品としても鑑賞してもらいたいと思います。
P.S.
3Dで見る大自然とスタントシーンは本当に圧巻。アウトドア指向の方ならまず期待を裏切らない映画でしょう。またGoProやBlackmagic、REDなど最新鋭の撮影機器をつかったスタント撮影の技法の観点からも参考になる作品かと思います。