人間だから提供できる付加価値が求められる時代だからこそ顧客のために「考える」ことが求められている。
唐突ですが、とある産業でのIT利活用について話を聞く機会があり、人間は今後機械に言われたら作業するだけの存在になるの?と少し恐ろしい思いを感じました。
あれこれありつつも15年続けてきた会社ですが、言われたことを制作するだけではどんどん状況が厳しくなると感じて学習にも力を入れようと決心したのが2年前。
マーケティング・オートメーションなど着実にここ数年でBtoB企業のWeb活用は大きな転換期を迎えつつあります。
そんな中、制作の現場では色々なタイプの人たちがいますが、手戻りを嫌って細かな指示がないと手を動かせないタイプだったり、利口なだけに自分のキャリア、プライドが傷つくリスクは絶対取らないタイプの人が居たりします。
ルーチンワークからの収益のみで食べていける会社は良いのですが、数年単位で仕事のやり方が変わるWebの業界でこのタイプだけで業績を維持しようとするのは無理と自分は考えています。
ただしどちらか片方だけでは経営の安定化は難しいので、トレンドを活用して先進的な取組から収益を上げていくタイプの仕事とルーチンワークのバランスを取るのがこれからの経営課題だと認識しています。
クラウドソーシングや無料のサービスが出現するいま、制作会社が収益を上げられる領域は考えることが要求される仕事内容に変化していると感じています。
その考えと制作結果が、最終的にお客さまの収益拡大に寄与する結果であったり、投じてくれたコスト感よりも価値を感じてもらえれば、webの施策にどんどん予算を投下してくれるベンチャー企業はいま沢山ある訳です。
プロとして仕事を任された立ち場で、その道のプロではないお客様から言われたことしかアウトプットできないのでは話になりません。
ワークライフバランスも大事だし、長時間労働、パワハラやメンタルヘルスの問題も労働者保護として最重要課題ではあろうと思います。ただそういった法令順守などへの対応の中で仕事の質が犠牲になってしまうのでは中小・零細企業はすぐ経営が行き詰ってしまうような気がします。
給料は空から降ってこないと、社員に納得させるとは堀場雅夫氏の言葉ですが、給料もらうための時間つぶしではなく、付加価値の提供にいかに取り組んでもらうのか、会社の理念から考え直す時期に差し掛かっていると感じた一日でした。