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現役学生が書く「通信制大学」のメリット

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現役学生から聴いた、知られざる「放送大学」のメリット』というエントリがBLOGOSさんで多くのアクセスを集めているようです。

何回かこちらのブログには書かせていただいておりますが、自分は現在49歳にして「産業能率大学」の通信教育課程の4年に在学中の身の上です。

放送大学と同様に「産業能率大学」の通信教育課程も入試は無し。入試が無いことについては、色々ご意見あるかと思いますが、社会人状態で単位をちゃんと取っていこうとするとそれなりに大変ですので、その辺の実体験を紹介させてもらいます。(学割の対象にもなりますので、そこはちゃんと活用させてもらっています)

わたしは専門学校は卒業していたので3年からの編入、卒業までに必修22単位、選択40単位の合計62単位の取得が必要。そしてそれなりにハードルがあるのがスクーリングと呼ばれる実際の講義型式の授業をうけて15単位以上を取得する必要があります。

産能大ではいろいろな組合せでスクーリングを実施しているのですが、基本3日間なので金・土・日を受けるとすると少なくとも金曜仕事を休む必要があり、この時点で無理という人が出てくると思われます。

ゴールデン・ウイークや祭日と繋がった連休などを使えば会社を休む必要ないところもありますが、決まった期間で指定された単位数を取得するには休みをうまく活用する必要ありと思います。(大学によっては2週間とか集中的にスクーリングを開講するところもあると聞いたことありますが、社会人学生にそれは無理だろ…と感じています)

学費は「産業能率大学」もかなり安い部類に入ると思います。大学によっては普通の大学と変わらないレベルのところもありますね。

自分は入学にあたり、幾つか候補があり資料を取り寄せたり説明会に参加しながら、最終的に学費の事もありますが、実は通信制でありながら、自宅から一番通いやすい自由が丘にある産能大を選びました。

それはなぜかというと、スクーリングの他に科目修得試験もあり、それも実際の試験会場に出向く必要あったからです。

通信制大学の試験のレベルも様々だろうと思います。そこに入試が無いこともふまえ否定的に捉える方も一部にはいらっしゃるようですが、通信教育の大変さは、試験対策を含めたタイムマネジメントに尽きると自分は思っています。

参考までに3年時の単位取得で管理に利用していたgoogleドキュメントのスクリーンショットはこちら

3年時の単位取得で管理に利用していたgoogleドキュメントのスクリーンショット
学習について自分は15年会社を経営した経験があって、経営学とマーケティングの科目を選択したので、それなりの事前知識があったことが本当に助かったと感じています。

大学で自分が初めて学んだ分野は社会心理学系と統計学。その中の統計学はスクーリングが無い授業でしたのでテキストだけで基本レポートと応用レポート、そして学科試験を合格するまでテキストのみで学ぶというのは本当に苦労の連続でした。

試験ではテキスト参照可の教科も多いのですが、論述問題でテキスト写しても点数にならないのは周知の通り。ですので基本的に学ぶ意識がない方が「大卒の資格が欲しい」というだけで入学しても卒業はおぼつかないと考えます。

とりあえずギリギリでも良いから試験に通るだけの勉強であれば不要かもしれませんが、それなりに学ぼうと思えば参考図書の購入も相当数必要で、わたしの場合は昨年100冊以上の経営学・マーケティング・社会心理学・統計学に関する書籍を入手することになりました。

自分は会社を経営する立場で入学したのでスクーリングの休みも選択の自由がありましたが、これを雇われている立場の人がやろうとしたら、本人の頑張りだけでなく職場の協力も必要になります。

このような環境で2年もしくは4年かけて通信制大学を卒業するには、いかに残業などの影響をうけないように工夫しながら、大学のレポート、スクーリング、試験をこなしていく、目標設定とタイムマネジメント能力が必須となります。

それぞれの学科で得られる知識も当然有益なのですが、自社の福利厚生の一環として専門卒の方に産能大で学ぶ学費補助しても良いと考えるくらい、この課程を卒業するころにはマネジメント能力と、限られた時間のなかで最大限効率良く、仕事と勉強をやろうという生産性の考え方も身につけることができます。

ここ最近スクーリングを行わなくとも卒業資格が得られる方向に制度が変わりつつあるようです。自分も入学当初はスクーリングなんて面倒だけど決まりだから仕方ない…という後ろ向きの考えを持っていました。

ですが、前述の統計学への取組みを開始してからテキストだけで知らない事を勉強できる範囲はとても限定的だと思い知らされます。統計学はスクーリングは存在せず、子供の通った塾に個別指導を打診してみたり、オンライン家庭教師を探して試験対策をすることになった経験を踏まえ申し上げたいのは、スクーリングは実際の講師の方と学生も居ることで何倍も学びが深くなるという事です。

付け加えるなら、普通の授業の他にも時間を使えるならゼミや卒業研究といった論文作成にも挑戦可能です。わたしの場合ゼミに取り組んだことで、大学の図書館や国会図書館で資料集めという基本的なところから、他大学の准教授の方にも協力をいただいて卒業研究の準備をしたりといった大学ならではの体験を積ませてもらっており本当に入学して良かったと感じています。

そして、facebookなどがある時代ですのでスクーリングで一緒になった学生の人達やゼミの先輩、そして講師の方などとも自分がオープンに交流することで新たな人脈を形成するにも当然役立ちます。

自分が18歳のときに知り合った連中はfacebookの中でも気軽に呼び捨て出来る本当の意味の友達。社会に出てからの知人・友人はどうしても仕事の関係もあるので、そこまでの関係に発展する事は希かと思いますが、そういう意味で利害関係の絡まない学生としての人間関係を49歳にして新たに得られたことは特筆すべきことかと思います。

最後に「無試験で金も掛からないから」という心構えで入学するのは自分はお勧めしません。あと「とりあえず大学は卒業しておきたい」というモードで適当に取り組むと、これまた自分の物事への取組みはその程度で終る人間なんだ…というトラウマに繋がる可能性あるので、やるなら本気で臨むことをお勧めします。

長くなってしまったので産能大の入学式で言われた社会人大学性としてどういう学び方が必要なのか(大卒じゃ無い人が社会人大学に来てなぜ失敗するのか)という話しを次回させていただくとして、今日はこれにて終わりとしたいと思います。

こちらの写真はことしの2月頭に行われたゼミの発表会の風景です。通信制でありながら5回の授業の中で小論文をまとめる科目で30代の方から60代の方まで様々な年代・職種の人が参加するという社会人大学ならではという授業になっています。(写真について全員の許諾を取る時間が無かったので私以外はぼかし入りで公開させていただきます)

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