50歳目前にして通信教育の大学で掴むことが出来た事
通信制大学に通っている立場からのエントリ第3弾。ふとしたキッカケから具体的な学生生活について書かせてもらいましたが今日で一旦区切りを付けようと思うので、つい最近取り組んだゼミの事を書いておきます。
前回のエントリの最後のところで簡単に紹介しましたが、ゼミナール(問題解決入門)というのがありまして、概要は以下のとおり。
『卒業研究』履修時の前提科目として、研究テーマ設定や成果物作成の基本的な展開方法に関する体系的な学習を、学習テーマ別のクラスに分かれ実施する。
具体的な学習内容は、主に「問題の認識」のプロセスに絞って進める。すなわち、
・ 生じている現象(結果、事実)の把握
・ 問題の発見(不具合の明確化)
・ 問題の共有化
(関係する者が等しく問題と考える)
・ 問題認識(解決すべき問題の明確化)
などである。
本ゼミナールは、約5か月間の履修期間に5回の会合が設定され、討議やプレゼンテーションを行ない、その成果として、概ね本文 5,000 字相当の成果物を作成する。
欠席が許されないのでセールスフォースのイベントで海外に出かける事になったときはスケジュールを心配したのですが幸いぶつかることなくわたしは済みました。ですが学生さんの中にはやはり仕事の関係で残念ながら途中で受講を断念するケースもあるようです。
パソコンで書類作るとかプレゼンについては商売柄全然平気なのであとは中身の問題であった訳ですが、やはり自分の論を明確に表わすというのはやってみると非常に苦労しました。
あと、資料集めで国会図書館を利用したことは、独特な場所だけにいろいろな刺激をもらえました。幸い自分の会社から歩いて行ける距離なので、今後大学を卒業しても利用させてもらうことになるだろうなと思っています。
さて、資料集めのあとは目次考えてネタの整理をしつつ執筆段階へと進む訳ですが、そもそもの性格が、あまり人とぶつかることなく周りの状況がそういう事であれば、こちらはこんな風に立ち回ろうという順応型の人生を送ってきた自分にとって、自分の強い主張を打ち立てることに慣れていないという根本的な弱点があります(苦笑)
なんとかこれを乗り越え、自分の主張を論理的に組み立てなくては課題を完成させることは出来ません。
困った過程を書いても読んでいる方々の参考にならないので、このゼミで自分にとって一番影響があったかを紹介しておくと、
やっと自分自身の作品と言えるモノが出来た
ということです。
バンド活動では当然各楽器のメンバーが必要です。ギタリストとしてもソロをガンガン弾く技巧派ではありませんでしたので自分の中で常にテクニックに関しては引け目を感じていました。Webの仕事のほうがメインになってからも専門的にデザインやプログラムを学んだ方々と比較して、あくまで必要に迫られてデザイン始めた身の上としては、デザイナと名乗ることにも抵抗感を感じる自分がいます。
49年間の人生でそういう意味で自分というものは「これ」ですと自信を持って言えるモノがなかった訳ですが、今回自分の論を徹底的に考えに考え、文章についても何度も直しを入れ組み立てた思考と執筆作業と向き合ったことで「これが自分(の考え)です」と言えるものを初めて生み出すことが出来たと感じています。
20代でドリカムという日本で有数のバンドのサポートメンバーとして仕事をさせてもらい、自身がレコーディングした代表曲はあの「決戦は金曜日」があったとしても、その仕事は当たり前の話しですが、自分の腕を見込んで依頼された訳ではなく、そこに参加していたからやらせてもらえた仕事でした。
そういう場の中で、日本で一番というポジションで仕事をする事の大変さを体験させてもらい、ここから脱落したことは自分の人生から消すことが出来ない出来事です。そこからドリカムのバックバンドを離れて弾く方の仕事がじり貧になり、カミさんと2人の子供を持った身でどうするよ?という行き詰まった時期もありました。
ですがこの戦力外通知があればこそ紆余曲折を経て、いまだに音楽や映像制作、そしてホームページの制作から、最近ではマーケティング支援活動的な方面まで仕事の領域を広げられるようになった訳ですから、ピンチをチャンスにをまさに体現した人生と言えるかもしれません(苦笑)
ここまでの綱渡り人生が今後もうまく行くかは分りません(苦笑)。ただ言えることは、自分のように一度レールを外れた人間は、生き残って行くための工夫を死ぬまで続ける必要あるし、それが阻害される社会構造であっては困るというところに尽きます。変革がときには自分に不利な展開になるかもしれませんが、それがなければ自分のような非正規ルートの人間にチャンスが巡ってくることはありません。
数少ないチャンスをものできるかは自己責任で構わないので、まずはそういうチャンスが巡ってくる社会システムが自分にとっては非常に大切であるという、そういう想いを形にしたのがこちらの書類と資料です。
ここから何枚リリース(レコードじゃないってw)できるか分りませんけど、やっと見つけた自己表現方法、残りの人生の時間をうまく使って取り組んでいきたいと思っています。