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この変化が激しい時代に未来を予測してキャリアデザインするというのは果たして可能なのか?

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今日はビジネス心理学の講義2日目、唐突ですがナニワ金融道の青木 雄二氏は就職情報誌などのインタビューで労働組合の必要性を強く訴えるので敬遠されてしまったと語っていたのを何回か読んでいたことがあります。

今日講義で聴いた話しは、キャリアデザイン全盛のいま波紋を投げかけるもので冒頭の青木 雄二氏の例のようにメディアで語られることは少ない話しかもしれませんが興味深い部分が多くあり、エントリ化しておきたいと思います。

まず、テクノロジーの進化で10年先、20年先に無くなる仕事が沢山あるという話しは機械との競争とかここ最近語られる事が多い話題ですね。

他方極一部かもしれませんが日本型の終身雇用をずっと続けられるような会社や、古いやり方のままでも生き残ることが可能な仕事も一部にはあり、このような状況に対し、こうやれば就職できるとか、社会人としてどう生きていくのかというような考え方を1つの方法だけで説明していくには無理があるように感じられます。

最初は漠然と、テレビで見たとか本で読んだ職業に憧れるところからのスタートも多いかと思いますが、まず自分にあった仕事という考え方をすると、「適性」という事が想い浮かぶと思います。

それではその適性は何から造られるのでしょうか?

学問的に適性は以下の構成要素で考えるようです。

  • 性格
  • 価値観
  • 興味
  • 能力

この性格の中で、性格5因子説というのがありこの中の「経験への開放性」がこれからの時代を生き残って行くには大変重要な要素だと感じました。

以下にその5因子を書いておきます。

  1. 外向性
  2. 情緒安定性
  3. 経験への開放性
  4. 調和性(協調性)
  5. 信頼性(誠実性)

それぞれの性格がありつつ、様々な経験をすることになる訳ですが、普通あまり嫌な事は思い出したいとは思いませんね。

ただ、嫌な事をそのまま蓋をしておくとトラウマになりますから、その嫌な事をプラスの解釈が出来る人が、「失敗から学ぶ事が出来る人」と分類されるようで、

つまり、自分の失敗に対して感情反応が多い人は感情的なだけにその経験を活かすことが不得手。認知反応が多い人は経験から学ぶ力を伸ばすことも出来てしまうという事のようです。

そして今日学んだなかで印象的だったのは「過去は変えられる」という考え方です。

これは、

事実としての記憶の素材は変えられないが、その意味づけは変えられる

というものです。

これスティーブ・ジョブズの話しにも通じるところがあると思ったのですが、その時、その時の出来事の受け止め方で自分の人生はかなり違ったものになるという点で自分としては非常に興味を持ちました。

そこからクライトとプライヤーの「失敗の価値」という考え方の紹介があり、失敗を恐れないことと、失敗の対処能力の大切さについての紹介がありました。

これらの考え方は、先が読めない時代、社会が変動して仕事の形態も変われば、必要とされる能力も変わるし、10年先、20年先には多くの仕事が無くなるかもしれない時代に、キャリアデザインを入念にすればするほど、その予定から外れたときのダメージ大きく、そういう意味で今日のタイトルである「キャリアデザインの弊害」というところに繋がって来るわけです。

IT業界などは特にですが、2~3年でがらっと世界が変わることも珍しくないところでキャリアデザインするというのは果たして現実的といえるのでしょうか?

逆にそんな時代だからこそ、

人生は予測できない、キャリアは思いがけない出来事に左右されるといった現実に立脚すべきではないのか?

というのが今日の講義の中で問いとして投げかけられた訳ですが、

変化を想定していない、もしくは想定を越えた変化によりキャリアデザインが失敗して、そこから学ぶことが出来る人、出来ない人の開きが当然出てきますね。

そして、前述した経験への開放性や、失敗の対処能力がここで問われる訳ですが、逆に予期せぬ出来事が自身のキャリア形成につながることも多いという事については、自分もインターネットの登場とIT産業が立ち上がるというまったく予期していなかった事に飛び込んだからこそ今がある訳で、この考えに同意しない訳にはいきませんね(苦笑)

また、キャリアデザインに熱心になるのも結構ですが、何事自分のキャリアに役立つかどうかで行動してしまうことで、今この瞬間に没頭できなくなることの弊害についても同意するところです。

繰り返しになりますが、一部の限られた人達はこれからも有名大学などを出て、決まったレールを順調に走っていく人生設計が成り立つ世界があるでしょう。ですが多くの人達にとっては予測不可能な状況にどう対応するかのほうが重要な意味を持って来ると思われます。

そして、最後に紹介するのは、クランボルツの「計画された偶発性理論」です。

計画された偶発性理論では、従来優柔不断、決断できないというように否定的に評価されていた未決定の心理状態を肯定的にとらえ直し、心を開いた状態を維持することの大切さを説いている考え方だそうで、開発すべきスキルとして以下の5つがあげられています。

  • 好奇心
  • 粘り強さ
  • 柔軟性
  • 楽観性
  • 冒険心

これはスタートアップ企業の経営者に求められる素養、適性とかぶっている感じがするなと思ったのですが、これからの時代においては労働者の立場であってもこのようなスキルセットを持っているかどうかで、その後の人生の受け止め方が大きく変わるだろうということを非常に納得できる講義でした。

今日紹介された考え方で、今後時間をとって読んでみたいと思ったのはこちらになります。

  • クランボルツ:計画された偶発性理論
  • ジェラット:積極的不確実性
  • ブライトとプライヤー:キャリアのカオス理論
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