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「iPhone4S発売から2週間、他社のスマホはいっさい発注してませんよ!」(販売代理店幹部)に国内メーカ涙目

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日本での携帯電話の年間販売数量って4000万台弱あって、NECカシオモバイルコミュニケーションズは、2011年度の携帯電話の出荷を650万台程度と見込んでいるそうですが、採算ラインが600万台ってことで、なんだかんだ言っても国内市場でこれだけの販売数があるってのは凄いようにもじるのですが、世界レベルで考えると「Galaxy S」単独でも1,000万台という数字をたたき出すのですからスケールの違いを感じてしまうわけです。

こちらの東洋経済の記事によると、ソフトバンクとAUからiPhone4Sが発売され、それ以外の機種への発注が激減しているとのこと。

製造メーカーにとっては、これまで通信事業者がメーカーに要望を投げて、それをメーカーが端末を開発した上で、これを通信事業者が買い取る“護送船団方式”を取ってきたのに、現在のスマホブームにおいては、通信事業者が買い取る端末数を減らし海外メーカーのスマホ購入を拡大していく中で、こんな声も聞こえてくると記してあります。

 はしごを外された形となった国内メーカーからは「スマホに出遅れたのは通信事業者のせいでもある」と怨嗟の声が聞こえてくる。

スマホ登場時点では、ガラケーが持っている日本独自の機能がないと売れる訳ない…とか、ガラケーだって海外の端末に比べれば高機能なので、スマホの機能は恐れることはない…的な見方が多くあったところからここ2年くらいでこんな状態になっている訳ですが、つい先日もドコモもやっぱりiPhone販売「あきらめない」ってことで交渉継続しているという記事が出たりしてましたが、日本の独特な環境においての苦悩がこの一言に端的に表されていると思います。

グーグルのスマホ向けOS(基本ソフト)「アンドロイド」は無償のため、本来開発コストを低減できるが、「今は従来型携帯とスマホの両方の開発費がのしかかっている状態だ」(富士通モバイルフォン事業部・松村孝宏マーケティング統括部長)。スマホにリソースを集中し、日本メーカーの数倍~10倍もの生産量で量産効果を出す海外メーカーとは、コスト競争力に大きな開きがついている。

2年ほど前の記事になりますが、田原 総一朗氏のこんな記事が

ここでは、こんな指摘がなされています

例えば、皆さんがお持ちの携帯電話。この携帯電話の世界では、かつてNTTドコモがiモードを開発し、それは間違いなく世界でも最高水準の技術だった。当然、NTTドコモ自身も自社の携帯電話が世界の標準になるだろうと確信していた。ところが、実際に世界標準になったのは、iモードに比べてはるかに水準の低い欧州の技術だった。そうした経緯から、日本のいろんな電機メーカーで作っている携帯電話が、国内でしか売れないということになってしまった。

中略

これら2つの例から申し上げようとしているのは、われわれ日本人というのは、技術開発にも積極的で、極めて高い技術水準を有しているにもかかわらず、そうした技術を世界標準、デファクトスタンダードにしていくということがどうにもヘタであるということだ。その理由を端的に言えば「日本は戦術には長けているが、戦略に欠けている」ということにほかならない。

 これまで日本は米国を手本に、米国の言う通りにやっていればいいという風潮があったのも事実。その米国が破綻した今、これからの日本人は自分の頭でものを考えなければいけない時代にきたということだ。そうした中で、自分たちが持っている高度な水準の技術を世界のデファクトスタンダードにしていくための戦略というものを、自らの頭で描いていく。それが、日本の将来を考えるうえで重要なカギになるだろうと考えている。

ちょっと引用長くなってしまいましたが、ここで田原さん「米国の言う通りにやっていればいいという風潮があったのも事実」って、これからは違うんだって指摘してますけど、世界的な潮流になりえるスマートフォンの登場時点で、日本はどんな反応したかというとそこには携帯電話としてはガラケーのほうが優れているというスマホ懐疑派が非常に多かったと思います。

2年という短い時間の流れの中ではありますが、昭和か平成の初めの頃ならいざ知らず、護送船団方式という日本独特のビジネス手法(世界的な観点からするとかなり時代遅れとも思える)でここまで利益を上げて来られたのが奇跡的って考えたほうがよいのかもしれず、出遅れたのは通信事業者のせいだという指摘しているメーカー側にも意識改革の必要性を感じるのはわたしだけでしょうかね?

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