シャープはCCCと提携解消した勢いでAmazon's KDPみたいな事始めちゃえば良いのにと思ったりw
シャープのガラパゴス販売終了のニュースから今度はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)との提携を解消するとの発表があったようですね。
- ストア名称・社名変更のお知らせ:株式会社TSUTAYA GALAPAGOS
- ニュースリリース:株式会社TSUTAYA GALAPAGOSがシャープの子会社に
- シャープがCCCとの提携解消へ、電子書籍配信で「ツタヤ」離脱 (ロイター) - Yahoo!ニュース
電子書籍ビジネスについてのこれまでいろいろな市場予測が報じられたのを眼にしたり、出版社サイド、ハードメーカの思惑などを耳にする中で、、そこにはきっとゲーム業界や音楽業界の変化が多かれ少なかれ考慮されていると思います。
例えばコナミのソーシャルゲーム部門が4~6月期の営業利益が78億円と家庭用ゲームの77億円を初めて上回って稼ぎ頭となった、、なんて話を聞くと、電子書籍も紙の市場とは別なところでどんどん市場開拓できるかも、、、みたいな期待があったのが昨年の電子書籍元年だったのかもしれません。
そこから1年経過、ハードについてアンドロイド端末が様々なメーカーから投入されつつも、それぞれのモデルの機能差のばらつきが結果として電子書籍というフォーマットを再生させるところの整備ということろでもいろいろ問題あり、そういう意味ではiPadは利用しやすい環境ではあるのですが、大手が望む売上を上げるには遠く及ばず、紙の販売量に対して5%程度の売上では電子化に取り組む意味はない(経営資源をこれ以上投下していく意味無し)…的な判断をされている会社さんもあるようだと耳にしたりしています。
携帯向けのソーシャルゲームがスマートフォンにも対応しつつ、かなり凄い勢いでビジネスを拡大しているニュースに接する機会も増えており、ハードメーカにとってはスマホが専用機を駆逐するかも…という課題がありつつも、
きっとこういう他のモデルの成功例から電子書籍ビジネスの可能性を推測することも出来なくはないですが、それぞれのプレーヤーの関係性がまたちゃんと出来上がっていないのが以下の会見内容から感じられます。
CCCとの提携の成果について、大畠執行役員は会見後、記者団に対し「(シャープは)出版社とのコネクションなどがなかった。(CCCとの提携により)いろいろなことを勉強させてもらった。ある程度(事業を拡大させるための)地盤ができた」と述べ、一定の成果を得られたとの認識を示した。ソフト分野に強みを持つ企業と今後提携する可能性については「ケースバイケースだ」と述べるにとどめた。サービス拡充の具体策ついては「書籍コンテンツも(現在の3万6000コンテンツ以上に)拡大していくし、本とは別の形のデジタルコンテンツも、これから広げていきたい」と語った。
インターネットが絡む分野については大きな会社だけを相手にするのではなく、旧来ビジネスから見たらほんと小さい金額しか生まないかもしれないユーザを膨大に抱えて、それを収益化していくモデルも必要とされる場合がありますが、電子書籍(出版)についても同様の考えが求められるかもしれず、そこには参入障壁を低くしてどんどん流入してもらうための施策が必要なはずですが、
シャープのガラパゴス用のコンテンツを制作するための「XMDFビルダー」を購入して使わせていただくだけでも面倒な時代があったり、メーカ、出版社が思い描く形とは違うのかもしれませんが、電子書籍利用の大きな流れの一つである「自炊」についても“自炊”代行は複製権侵害ではないか…ということで出版社7社と作家122人が業者に質問状を送られたわけですが、そこに加えて今度は「著作権分科会」の「法制問題小委員会」というところで「公衆用自動複製機器」の経過措置の見直し求める意見がありということで、ここでは自炊請負業者のほか、自炊スペースと機材を提供する業者、自炊スペース・機材提供に加えて裁断済み書籍を貸し出す業者などへ課題となっている“私的複製”見直しで締め出しをしようとしてる?と思われる動きもあったりします。
自炊までして電子書籍を読んでくれる人たちの利用環境を悪化させたとしても、その分そこには正規のコンテンツを流通させるだから問題ないというのがここを規制したがっている人たちの主張なんだろうと思いますが、こういう動きが新規参入を抑制してしまったり、大きな変革を起き難くしてしまっている要因の一つなのでは…と思ったりしています。
大企業も巻き込んだ形での大きなビジネスとして電子書籍市場が創造されていくのか、個別収益では会社が介在するのが非常に辛いレベルではあるけど、ネットを通じて著者と読者が直接結びついてビジネス展開していく形が生まれてくるのか?はたまたそこを大量に取りまとめることで会社レベルでの介在が可能になるのか…などなど先行き不透明ではありますが、日本の電子書籍ビジネスに関して現状大手企業の思惑は完全に外れてしまった感はあるのかもしれませんね。
そういう意味でも、谷川さんと組んでやってるeBookProとしての活動は独立系としてほんと小さい存在なんだけど、会報誌などコスト削減圧力が高かった発行物について電子化での印刷や配送費用と比較してのコストダウン実現とか、海外向けの出版を旧来コストと比べれば激安で実現だったり、ちいさくはあるけど実績を1年積み上げて来た感は確実にあったりします。
先日は大英博物館がとっても貴重な本を電子化したニュースを紹介しましたけど、
こういう分野においても電子化ニーズは確実に存在するはずで、日本のこういう事案でお役に立ちたいと本気で思っているわけです。
TSUTAYA GALAPAGOSを見ても、権利関係の処理だったり各出版社との調整ごとなど大手でなければ無理って仕事も沢山あるかと思います。途中で申し上げたように結局手間かかるけど売上上らんとか、大手にとって収益として微々たるものでやる必要なしってビジネスを閉じてしまうのではなく、小さい仕事でもコツコツやりたいって新規参入組みは多数存在するはずで、やっぱりコンテンツが無きゃ始まらないって事を考えると、小さい会社・個人を巻き込んで電子書籍コンテンツの制作や流通の多様化を図ってそこから成長軌道に向かえないものか、、、とこういうニュースを見て、
シャープはCCCと提携解消した勢いでAmazon's Kindle Direct Publishingならぬ、GALAPAGOS Direct Publishingみたいな事始めちゃえば良いのにと思ったりw