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丸善出版さんと非コミック系コンテンツで初めて学術書をEPUBで日本から世界へ情報発信スタートさせました!

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先週、幾つかのメディアで取り上げていただいたのでご覧いただいた方もいらっしゃるかもしれませんが、オルタナブロガー谷川さんと共同展開している電子書籍制作プロジェクトeBookProでは、丸善出版株式会社の『Priority Challenges in Pension Administration―世界各国・年金管理制度の優先課題』の電子書籍化を行いiBookStoreを通じ世界向けの販売を開始しました。

『Priority Challenges in Pension Administration―世界各国・年金管理制度の優先課題』は2011年1月31日に出版された書籍で、世界各国が抱えている年金制度の運営実態と問題点、改善すべき事項について、それぞれの国の研究者15名が英文で執筆した英文専門書です。

丸善出版株式会社からeBookProに電子化についての打診をいただいて、そこからフォーマットの選定や電子化においてどんな工夫ができるか?はたまた、今後紙を含めた制作工程においてどのような工夫をすることで、より電子化を手早くできるか?などなど、英語原稿を単純にほうり込むのではなく、企画・制作としてプロモーションの側面からも色々な議論を積み重ね、実際の制作工程でも試行錯誤を繰り返しながら完成した力作。

制作上の工夫としては電子版の利用案内を本書とは別に付記した点と、索引・用語集のリンクを追加している点、この索引についてはこれからどう自動化もしくは制作における手間の軽減という課題と向き合う必要ありますが、電子にするならこういう利便性を読者に提供しないでどうする、、、という部分でもありますね。

あと電子版ですとどうしてもページ数が紙よりも増加する傾向があるので、分冊出版しているのも特徴かもしれません。

以前にiBookStoreを通じて日本語書籍の出版にチャレンジしたのですが、その時には審査が通らず断念、今回は英語の書籍ということで言語的なところでAppleからのリジェクトを食らう心配はなかったので丸善さんからこの案件打診をいただいたときは非常に嬉しかったです。

あと日本マーケットだけではどうも皆が望んでいるような電子書籍の売上規模に到達していくのはまだまだ先になりそうだ、、、という雰囲気の中、やはり全世界を相手に売れる題材に業務として取り組めるというのはとても有難いお話しでした。

さらにラッキーな事として、今回世界各国の研究者15名が英文で執筆している書籍ということで著者と読者が交流してもらう場をiBookStoreでの販売開始に併せてFacebookページとして開設するというプロモーション活動の側面でも共同で仕事をさせていただいております。

ここ最近谷川さんの

このエントリがランキング1位に何度かなっているのは皮肉ではあるのですが、元を辿れば、これまでオルタナブロガー永井さんの著書を遊びでePub化したのがそもそもの始まりでJazzJapanの電子書籍化の仕事が舞い込みました。

そしてJazzJapan電子版で実験的に始めたFacebookページが予想外に人が集まる好評で、それを見て今回の『Priority Challenges in Pension Administration』でも単なる制作請負ではなく、企画・制作・販売代行およびプロモーションというところで丸善さんという老舗ブランドと仕事をご一緒させていただけたのはとても有難いことです。

ホームページの企業導入が進んだ頃も、大企業が名もない会社と組みながら自社サイトを構築した例とか日本の前例主義から考えるといろいろ冒険してた時代がありました。eBookProはもう少しでサービス開始から1年が経過しようとしています、

今日ご紹介したような海外向けの電子書籍制作と販売のほか、JazzJapanやMUSICAのような音楽雑誌における紙面と音や映像をリンクさせた電子書籍の制作などなど日本の電子書籍ビジネス界隈で独立系として面白い取り組みを続けていきたいと考えています。

eBookProをスタートさせるきっかけをくれたオルタナティブブログで、こういう報告エントリが書けることは本当に嬉しいことで、ほんとこれについては色々な人に感謝の気持ちで一杯です。

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