蓮舫氏のモデル撮影問題:多くの人が雑誌に取り上げられたいと思うのはどういう効果があるからなのかを考えてみればよい
わたしが好きな映画で「THE SEPTEMBER ISSUE」というのがありまして、多くの方がご存じかとは思うのですが簡単にご紹介しておくと、米版『ヴォーグ』秋のファッション特大号である9月号、一年で最も重要な9月号の締め切り5ヶ月間における『ヴォーグ』の編集長アナ・ウィンターと雑誌編集に密着したアメリカのドキュメンタリー映画
これを見ていると、『ヴォーグ』雑誌が取り上げることがどれだけ経済的な影響力があるかを思い知ることが出来、映画の1シーンの中で編集長であるアナ・ウィンターが重要人物が集まる朝食会で物流について相談を受ける場面もあったりして、その経済的な影響力がどれだけ凄いかをうかがい知ることが出来、ファッションにあまり興味の無い方でも楽しめる要素がたくさん詰まった映画だったりします。
さて、なぜこんな話題から今日はスタートしたかと言うと、ファッション誌「VOGUE(ヴォーグ)NIPPON」の11月号。蓮舫氏のインタビュー記事のほか6ページにわたって掲載され蓮舫氏の写真4カットのクレジットには、衣装の価格とブランド名が書かれていたため西岡武夫参院議長が口頭で蓮舫行政刷新担当相を国会内に呼び、ファッション雑誌のため、国会議事堂内で写真撮影に応じたのは不適切だとして口頭で注意したらしいのですが、以下のようなファッション雑誌で服の値段とブランド名を記載することが営利目的になるという認識はなかった…というのはどうも腑に落ちないというか、言い訳のレベルとしてもう少し気の利いた返事は無かったのか…と(苦笑)
蓮舫氏の写真4カットのクレジットには、衣装の価格とブランド名が書かれていたため、同事務局では宣伝行為と判断したが、内容については「政治活動を紹介したもので問題はない」としている。ヴォーグ編集部によると、蓮舫氏も事前に記事を確認しており、「蓮舫さんが着ている服の値段とブランド名を記載することが営利目的になるという認識はなかった」としている。
みんなの党の渡辺喜美代表は「モデルに転向したらいいのではないか。十分やっていける」と皮肉たっぷりに「仕分け人」を批判。野党のみならず、身内の民主党若手議員からも、「立法の最高機関である神聖な国会議事堂で、着ている服に値段をつけて掲載するなんて…。営利目的ととられても仕方がない。タレントじゃないんだから」との声があがった。蓮舫氏の事務所では、「現段階では議運で協議中のため、コメントは差し控えさせていただきます」としている。
スポーツ報知の一連の記事を読んでみると「議員活動の記録のため」として、8月18日に撮影許可願が申請され、翌19日に撮影が行われたらしいのですが、「率直におわび」しているところを見るとやっぱり問題になった…的な認識は当然あったと思われ、特定のメーカーの洋服を身にまとってファッション雑誌に登場するのが営利行為につながらないという主張をどのくらいの人が信用するのか…って考えると、自前の洋服で登場してればこの問題は起きなかったろうと思う訳で、まあ仮に同様の問題が起きて、反論する場合にも「議員活動の紹介」という主張に一定の説得力を私だったら感じたはずだ…と
これがNewsweekだったらどういう話になっていたのかも興味はあるのですけど、撮影自体については「正式な手続きを経て行われた」と強調しているという話がこちらの記事で紹介されていて、
「VOGUE NIPPON」11月号は、国会内でポーズを取る蓮舫氏の写真を掲載。衣装の価格やブランド名が記載され「営利目的だ」と批判されていることについては、「正式な手続きを経て、(参院事務局職員の)立ち会いのもとで撮影した」と釈明した。
手続きが正当で、参院事務局も許可したんだから問題ない…という主張でこの問題を押し切ろうという戦術だとすると、事業仕分けにおける言い訳や対抗策としても使えそうなネタを敵に提供しちゃった感じがするのでした。