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iPadを「完璧な端末」にしてくれるのはアプリではなく、ePub雑誌かもしれない!?

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マックを初めて買ったのはVisionでの打ち込みをする為で、タイミング的にちょうどパソコン通信からインターネットへの変化が起き始め、先進的なミュージシャン(例えば教授とか)がホームページなるものを作って、宣伝しているとか、そういうたぐいの話を聞いて、制作の値段を問合せた事もありましたw

自分のパソコンの画面がカラーになる事が喜びだった時代、htmlのタグを使って、パソコンに自分が作ろうとおもった「何か」を表示したり、コントロールしたり出来るのがこれまた嬉しかったのを今でも覚えていますw

昔話はこの位にして、田中善一郎さんのメディア・パブ

↑こちらの記事の後半部分でとても興味を惹かれる記述があったので少し長いですが引用します。

そこでいいタイミングで現れたのが、アップルのiPadである。伝統的なメディア企業が特に注目したのはiPadアプリである。パッケージ化したコンテンツを有料で提供するのにぴったしであったからだ。つまり、昔のビジネスモデルが復活できるかもとしれないのである。マードック氏はiPadを「完璧な端末」と持ち上げる。News Corp.はiPadやiPhoneなどの有料モバイルアプリ向けに限定したニュース出版社を設立し、年内にもサービスを開始する予定である。雑誌社のConde NastもiPadアプリで活路を見出そうとしている。早々とiPadアプリで人気雑誌を電子化して有料販売を始めた。「GQ」、「Wired」、「Vanity Fair」、「Glamour」の電子版を毎号、iPadアプリとして号単位で売り出している。電子雑誌の価格は、ニューススタンドで一部売りする雑誌価格と同じである。

中略

実はこの議論は、iPadの出荷が始まった4月にも盛り上がっていた。まず著名なメディア評論家のJeff Jarvis氏が、iPadを危険な端末と警鐘を鳴らした。先に述べたように、Webの世界は消費者が主役の自由な空間を作り上げていた。消費者は単に情報を消費するだけではなくて、クリエーターとして参加している。ところがiPadアプリは、パッケージ化されたコンテンツを消費者に提供する。消費者は“audience(オーディエンス)”として与えられたコンテンツを消費するだけの存在になりかねない。

 つまりWebの世界では消費者主導でクリエーターとして参加できたのに、モバイルアプリの世界では供給者主導で消費者はオーディエンスとして参加するだけになる。iPadは時代を逆行させるとJarvis氏が主張する。確かに、初期のiPadアプリ版電子雑誌の多くは、Web空間から遮断され、外部の検索エンジンの対象からも外れ、外部リンクも張られていなかった。一度自由なWebの世界の果実を味わった人たちが、iPadアプリに満足できるかどうか。もちろん、自由な空気を吹き込みクリエーターとして参加できるようなモバイルアプリも生まれてくるだろう。

昨日AppleTVについてエントリを書き、あのデバイスを自宅に設置して感じた、インターネットで能動的に情報を探すことも楽しいけど、リビングとかでゆったりする時には、簡単操作でコンテンツが垂れ流されている環境のほうがやっぱ楽ちん、それをこれまではTVがやってきたけど、AppleTVはまずWebのコンテンツを見るときにやる、アドレスを打つという基本的操作を排除し、付属のリモコンやiPhoneを使ってお得意のシンプルな操作性で多様なコンテンツ視聴を可能にしています、その一例として

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Youtubeではお勧めビデオが表示され

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音楽についてはiTunesが表示、ポッドキャスト、映画の予告編についてもそのチャンネルを選択すれば

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あとは何も考えずにコンテンツを消費できる環境を提供しているのです。

このAppleTVがコンテンツホルダーであるテレビ局とApple双方に収益をもたらすのはどういう形なのか…という点についてはまだ交渉が続いているようですが、パッケージ化したコンテンツを有料で提供するのにぴったしという観点では、iPhone / iPad に続いて、AppleTVも非常に有望なハードウエアだと思われ、

日本で実現するのは当分先かもしれませんが、自分の好きな海外ドラマシリーズがリビングからレンタルもしくは買えるとしたら、その誘惑に負けてボタンを「ぽちり」としてしまう回数は非常に多そうですし、ましてや子供に「これ見たい!」とねだられて断れないお父さん続出な予感がするのは私だけでしょうかw

上記の例はパッケージ化したコンテンツについてでしたが、クリエーターとしてこのAppleが展開している世界に参加するとしてどういう方法があるか?というと、iPhoneアプリ、iPadアプリをまず考えると思うのですが、これはAppleの審査があるのが最大のネック。

Youtubuやflickrの作品はウェブの掲載されてさえいればこの閉じたAppleのプラットホームでも楽しむ事は出来る訳ですが、クリエイターとしてもう少しiPhoneなりiPad用に特化したコンテンツをリリースしようと思ったらその選択肢はePubによる電子書籍コンテンツがそこそこの盛り上がりを見せる可能性があるのではないか?と思うのです。

ePubはホームページ制作の知識があれば比較的簡単に誰もがコンテンツを作成し、ポッドキャストで配信すれば読者のiBooksに自動で配信することも出来ます、そこにはAppleのコンテンツに対する審査もないので、消費者主導でクリエーターとして参加可能な余地は十分ありますから、Jeff Jarvis氏が指摘するiPadは時代を逆行させる事にはならないと私は推測します。

ホームページも出始めの頃は、技術者の方に依頼して灰色の背景を白にしてもらうにもオプション料金を払っていた時代や、ホームページ制作ソフトで非常に高額なソフトがプロ用としてあった一時期から、Dreamweaverやらホームページビルダーが浸透、そこに今度はCMSやブログブームが到来し、今やパソコン、携帯、スマホにタブレットなどのインターネット接続端末さえあればネットに情報配信できる時代になっていますから、ePubのポッドキャスト配信による、デジタルマガジン発行とかが今後そこそこ盛り上がってくると予測します。

自分の仕事としての取り組みをご紹介できるにはもう数日時間が必要なのですが、音楽系のガジェット好きな方であれば知らない人は居ないであろう、ジェットダイスケさんが編集長を勤めiBooks(iPhone/iPad)で読めるePub雑誌「0330(ゼロサンサンゼロ)マガジン 創刊準備号」がリリースされています。

このePubもいわばパッケージ化したコンテンツを有料で配信する事は可能な訳で(iBooksでは現実そうやって販売している訳だし)それを、Appleの審査無しで、自由にリリースできるって事を踏まえると、消費者主導でクリエーターとして参加可能なだけでなく、マネタイズ可能なコンテンツを保有している出版社にとっても有望なコンテンツ配信方法になり得る可能性はあると思うのです。

佐々木 康彦 Twitterアカウントはこちら。 http://twitter.com/yasusasaki
ホームページ制作・ePub制作などのご相談はこちら。 http://www.cmpunch.com

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