「ナレッジナビゲーター」という単語をご存じでしたか?
コラムニストの小田嶋隆氏がiPadの発売に伴って「ナレッジナビゲーター」という言葉が復活していると書かれていて、1980年代の後半、アップルジャパンがこだわったという「ナレッジナビゲーター」という単語との出会いは初めてだったのですが、その意味合いとしての
エンジンとは違って、自転車の場合と同じように、パワーの主体はあくまでも人間の能力だというのが、その説明のキモで、つまり、マッキントッシュは、自転車が人間の脚力を拡張するのと同じ意味で、人間の脳の可能性を拡張するツールだ
↑この考え方はまあ確かにそうだよな…と感じたのでした。
この記事を見かける前の出来事なのですが、わたしの会社ではホームページデザインのほか、アプリケーションのユーザインターフェースのデザインも行う事がありまして、こういう方面の勉強のために「人間中心設計推進機構」というところの会員として登録させていただき、イベントなどに顔を出させていただいています。
そして、つい先日開催された第2回 HCD-Netサロン「これからのHCD」というイベントで。ユーザビリティ分野での第一人者である黒須 正明氏の「これからのHCD、人工物発達学の視点より」という話しの中で、人間が目標達成のために、道具を選択しつつ目標を達成できる場合と、出来ない場合の解説として以下のようなスライドを使って説明されていたのですが、
このスライドを少しアレンジする事で、メインのマシンとiPhoneやiPadと言った情報端末があり、そこに外部のPCなどもメール・Evernote・ブックマークなどをクラウドサービスを利用しながら自分の知識の断片やら記憶の切れ端に対していつでもどこでも検索・参照・同期・連携しつつ、何かしらの目標達成とか、仕事を処理していく事がこんな図で表すこと出来るかな?ということでスライドの内容を基にしてこんな概念図を作ってみました。
いつでもどこでもネットの情報にアクセスできるというのは、ただの忙しいゾンビでは?という意見もまったく見当違いとは言えないですけど、パワーの主体はあくまでも人間の能力で、掲げた目標と現状のギャップを埋める道具として適切なものを選択していくってところで、こういうチョイスもありますよ…という例示をするにはこの解説図は使えるような気がしています。
道具に頼りすぎるなという点において、楽器に関してもいくら良い楽器でも奏者との相性ってありますから、まずは人間の側がコントロールするための基礎体力と基礎技術を備えて、そこから応用していく事が肝要…というこれまた当たり前なオチになってしまった今日のエントリでございます(自爆)