ePub版「戦略プロフェッショナルの心得」を自作してみたよ!
電子書籍が本当に流行るのか?その流行るというのはどういう数字が達成されたら「流行っている」という事になるのかが全然見えていなくて議論するものだから、仕事の現場でも話が噛み合わないというか、すれ違ってしまう事があるわけですが(苦笑)
少なくとも、iPhone版 『志高く 孫正義正伝 完全版』発売開始後3週間で1万ダウンロード突破!とか、(←350円)
ダイヤモンド社がリリースした『もしドラ』は、発売2週間ですでに1万5000ダウンロードを超えているとか、(←800円)
iPad版『Wired』誌、24時間で2万4000部販売だったり…(←600円)
講談社は京極夏彦さんの小説「死ねばいいのに」電子書籍版の有料ダウンロード数が、1日までの5日間で1万回を超えたと発表。
五木寛之さんのベストセラー小説「親鸞」上巻を無料公開。これまで33万突破
この数字を小さいと考えるか、大きいと考えるのか…それは会社の規模にもよるのかとは思いますが、出版社の方々にとって万の単位がオンラインでそれも実売ベースで多数出現したというのはやはり2010年というのは大きな節目になるのではないでしょうか。
私自身、正直なところではiPadの電子書籍は見やすいか?というと、どちらかというとiPhoneの青空文庫のほうが持ち歩く電子デバイスで見る(読む)ものとしては、こちらのほうがなじむ感じがしています。
ただ現在取り組んでいる仕事の関連などもあり、その可能性を探るという活動はここしばらく地道に積み上げている状態だった訳ですが、最近手にした、ダイヤモンド社の「iPadで読む!週刊ダイヤモンド」のデータと、阪急コミュニケーションズの「20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学 集中講義」電子書籍(ePubファイル)のePubのファイルを触ってみて、こりゃ自分でもやってみないとダメだわな…ということで実際に自分の手を動かしてみることにしました。
CloudReaderでJPEG書庫形式のデータ作成するのは本当になんて事ないですよね。自分で保有しているPDFのデータをJPEG連番で書き出しすれば良いだけですし、ビューワーだってCloudReaderだけでなく、i文庫など他のモノも使えますしね。
ここ最近電子書籍の自炊についての解説記事を見かける事が増えていますけど、やはり電子書籍というと検索とか、文字選択して検索連動なり、ブックマークしたいというのは人情として当然ですよね、
なのでスキャンではなく、テキストデータを使って実験したい…と思ったのですがそこで問題になったのは原稿どうするか?って事。ちょっと思案したらオルタナブロガーの永井さんがご自身の書籍をPDFで全文無償公開してたのを思い出して、そのPDFからテキスト抜き出してePubファイルを自作してみることにしました。
iBooksのライブラリに収まった「ePub版:戦略プロフェッショナルの心得」
カバー用の画像を読み込んで冒頭に配置、イイ感じの雰囲気です!
PDFからテキスト原稿を抽出しているので、当然文字列の検索も出来ます
こちらはePub作成アプリの目次機能を使って作成された「目次」ページ
電子書籍なので当然リンク文字列はブラウザと連携しますから、書籍であればAmazonへのリンクも張らないとですね。
今回使用したアプリは「Sigil」という奴で、インターフェースは英語ですが、特別なコーディング知識がなくても、基本的な書籍は作成できるGUIになっており、文書中や外部へのリンク付与、メアドなどの設定はソースを触ってもらう必要ありますが、これもそんな難しい作業ではないかと思います。
まだ挿絵や書籍としてのCSSをどう組むべきか…など細かい実験は出来ておりませんが、文字サイズや装飾関連についてはXHTML+CSSでのコーディングを経験している方であればCSSを作り込んでもらうことで対応できる事は多いのではないかと思います。
現状取り扱うのが横書きであれば、コンテンツ作成は仕事として取り扱うのも時期的には取りかかるべきなのかな…なんて思いつつ、ePub初体験として作成してみた永井さんの「ePub版:戦略プロフェッショナルの心得」はなかなかイイ感じだと思います。
PDFから一括でテキスト抽出してしまうとページ数とか余計なモノも抜き出されてしまうので、今回手作業でテキストは抜き出し、目次については「Heading」指定をしてアプリのほうから作成されるモノと、紙のほうのレイアウトに対して文書内のリンクを付与するモノの2種類を実験、その他URLとメールアドレスについてもリンクを付与してアプリのほうから誘導するテストをしています。
今回実験してみた感想として
iPadでの読書需要が順調に伸びるかどうかは別ですが、これまで電子媒体での読書環境がiPadによってより高い次元になるのでは?と期待している本好きな人たちの層は必ずあって、その人たちが冒頭紹介したような実売を現在生んでいるのだろうと思います。
この層の方々にとってはダイヤモンド社や阪急コミュニケーションズのように自社サーバからコンテンツ配信してそれをリーダーに読み込む作業は、青空文庫のリーダーに追加データを読み込む作業となんら違いはなく、i文庫HDなりiBooksで読みたいものがあれば読むよ!って状態になっているような気がしているので、
★ダイヤモンド社のように雑誌として発刊して、その発行した週が過ぎると紙媒体を抱えている負担が大きかったけど、記事としての需要はあって、それをロングテール・ビジネスとして活用したいと思っている…
★阪急コミュニケーションズの今回の限定公開の方式を含め、書籍のチラ見としてこれまで良くあったFLASHなどのデジタルカタログよりもより紙に近い形でユーザに情報を届けたい(配布しやすい)方式を探していた…
↑こういう方々には、1日も早く、JPEG書庫形式と簡易にePubで作成したファイルを、オンライン決済と連結して自社で販売テストしてみるべき時期なんじゃないでしょうか?osCommerceのダウンロード販売機能を活用する手もありかと思います。
また、今回お見せした「ePub版:戦略プロフェッショナルの心得」については近日中に永井さんが配布の段取りをさせるのでは?と思いますので、ファイルを欲しい!という方は今しばらくお待ちいただき、永井さんのブログをチェックしておくことをお勧めします。
ご自身でePub作成にチャレンジされたい方は今回作成に使用したアプリはこちらからダウンロードできますよ。
佐々木 康彦 Twitterアカウントはこちら。 http://twitter.com/yasusasaki
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