零細会社の持つ唯一の武器は、昔ながらのビジネス形態や既成概念に捉われず、常軌を逸して物事に取り組めること
多分多くの人がこの頓智・井口CEOによる寄稿を見たと思うのですけど、実際に世界を変える意志ってどんなものだと思います?
「世界を変える意志など有るのか?」と問われるなんてナンセンスだ。そんな疑念をぶち破るスピリットがなくて、ベンチャービジネスなど始められる筈はないのです(ちなみに、TC50ファイナリストへの路は言葉にできない程に過酷です。でも、それを突き破るだけの価値は十分過ぎる程あります)。
幸いわたしは20代の前半から30代にかけて、音楽業界の勢力地図を塗り替えてしまったアーティストが無名デビューから日本のマーケットを席巻するまでを体験するというまさに宝くじに当たるような体験をさせてもらったのですけど、ほんと無名時代って世間は冷たいものですし、有名になればすぐ天狗になっているって叩く奴は出てくるし、凋落するとそれこそ反撃食らわないって思ったとたんに手のひら返す連中が出てきます。(ただし「世界を変えてやる」って言っている側についても、理念や信念の伴わない口だけのお調子者もいて、圧倒的大多数はこちらに属してしまう訳ですが…)
残念ながら自分の場合、自分だけで世界を変えるような事を出来る器ではなく、自分の信じる仕事の在り方の実現のために頑張るとか、信頼できる仲間と自分達の信じる価値観で仕事ができる環境を構築するための努力については惜しみなく頑張る事はできると思うのですけど本当の意味で「世界を変える」という話をしている人って改めて考えるとほんと居ないと思いませんか?
そういう意味で、前述した井口さんの記事を読むにあたっては最後のほうでリンクされているこちらの記事も良く噛み締めておく必要あると思うので、ちょっと長いですが引用させていただきます。
こんなことを言って、このカンファレンスや選考基準にケチをつけるつもりはない。しかし、あまりにも舞台裏でよく聞いたので、無視することはできない。正直なところ、こうなることが予想されたスタートアップサイクルに入って来ているのかもしれない。シリコンバレーに倦怠感が漂い、殆どの新会社が安全に立ち振舞うことを考えている。全く同じことを2001~2002年にも見た。当時も今も、プレス関係者はこの手のことを「感受性」が高いとか「賢い」などと持ち上げる。嘲るようなリード文は「シリコンバレーは利益を思い出せ」など、それ見たことか的論調だ。
こういう連中は、シリコンバレーのことも、すばらしいスタートアップをすばらしくするのが何であるかもわかっていない。これは、FacebookとTwitterが巨額の資金を手に入れて、膨大なユーザーを獲得したのを見て、初めて記事にするのと同じ人たちだ。「感受性」の美徳を賛美するような人たちが、次の偉大な企業の中心人物になることは決してない。プレスであれVCであれ、次の波に乗るには遅い。今の波でもそうだったように。しかし、われわれのカンファレンスのエキスパートたちは、それを理解していたからこそ、殆どがうならされることなく帰っていたのだ。
これが重要である理由はこうだ。スタートアップは当然のことながら、そこに明らかな市場機会があっても、そこに立ち向かうための経験も市場でのポジションも資金も資源もない。彼らのやろうとしていることが、事業として明らかに理にかなっていれば、もっと大きくて、有利な位置にいる企業がやっているはずだ。スタートアップの持つ唯一の武器は、昔ながらのビジネス形態や既成概念に捉われず、いわば常軌を逸して物事に取り組めることだ。
今どこかに、未来の大企業を作ろうとしている起業家がいる。ただし、きっとそれは不安定なサイドプロジェクトの類で、誰も、その起業家自身さえも、それが次に来る大事件であることに気付いていない。それこそが、来年われわれが壇上に引っ張り上げなくてはならない人だ。
この明確なコンセプトは素晴らしいな~と素直に思います。きっと日本の感覚ではここまで尖がった感覚でカンファレンスを運営していくのはかなりの難題と思うのですけれど、自分はたまたまオルタナでブログを書かせてもらう場を得て、自社でブログを書いていた頃とは比べ物にならないくらい多くの方々に購読いただいているという幸運に恵まれています。
自分が20代に経験した事から思うのはチャンスを与えることができる立場の人はそれをちゃんと活用すべきって事だと思っていますので、そんな自分に今できるのは、事業として理にかなっていない面もあるけど大手はまだ参入していなくて、ビジネス形態や既成概念に捉われず、いわば常軌を逸して物事に取り組んでいるサービスや会社さんをこちらのブログで紹介してみる事であったり、他人様の紹介だけでなく、自分自身の考え方や取り組みをもう一回整理をして、自分にとっての常軌を逸して取り組めることを考え直してみようと思ったのでした。