CD制作、ネット配信もアマチュアがお手軽に出来る時代に必要な事
自分が学生時代にライブハウスでライブをやると2500円くらいのチケット50枚くらいがノルマだったような気がします。
その後に音楽を仕事としている時代にも友人と2人でユニットのようなものをやっていて、まだ原宿のホコ天があった時代にストリートライブをやったり、そこでチラシを配りながらライブハウスのほうにお誘いしたりと、いろいろ活動をしていた時期がありました。
この外部に露出していた時期には、とある著名脚本家さんや、レコード会社の方々から声をかけていただくというラッキーな事柄もさまざまありつつも、わたしの事情から活動を停止してしまったのですが、この時代に今のようなネット社会が出来上がっていたらどんな違いがあったのかな~?って思うことがしばしばあります。
アーティストなり、そこに類する人間がプロとして成立するには、自分の作品や公演に対価を支払っていただくというハードルを越えねばいけません。
ちなみにどんな人にでもファンはつくもので、その数が○○○人を超えれば、それなりにお食べていけるという話をしてくれた芸能プロダクション関係者がおりましたが、アルバムを作るなりプロモーション活動をするためには資金も必要ですし、そこの投資を引き出し面倒を見てもらえるかどうかというのは、ある意味ベンチャー企業がVCから資金調達する行為に近いのかもしれません。
オルタナブログにおいて1ヶ月においてアマチュアバンド活動、いやそこそこのプロがライブで動員しようと思っても動員できないような数の方々から来訪をいただいていてこれはもう、2500円のチケット50枚で右往左往していた経験がある身からするとほんと有り難い事です。
ただホコ天時代もそうでしたが、路上の無料ライブは見てくれるけど実際のライブに足を運んでいただける方はほんとうにその中のわずかな人数で、その人が口コミしてくれたり友人を誘ってくれる事で50枚のチケットをさばく事が比較的楽になる時期も訪れるのですが、ライブハウスでアマチュアが30分~1時間程度のライブで5曲~10曲、プロやそこそこ客の集められるバンドが2時間20曲のライブをやるのは、それ相当にリハも必要ですし、何しろ中身の曲がマンネリ化してしまったりするので、ブログのように毎日更新ってわけにはいかず(苦笑)この辺はきっと小説を書いたりするのに調査などを含めるとえらく時間が掛かるのと同様かな~とおもいます。
アーティスト活動の本分は勿論創作活動な訳ですが、その領域で活動している人という前提を固めるためには、事務所との契約なりパトロンのサポートがなければ、その業界において認められるということは非常に難しいと思われます。
つまりビジネスとして成功するためには、お客さんとビジネスパートナー両方との関係がそれなりに構築できる必要があると思うのですが、先日こんなニュースが流れていました、
両社はマイスペースを活用しているユーザー、主にアマチュア・インディーズミュージシャンのオリジナル音源をオンライン上で「CD」として販売することにより、ユーザーの活動を支援するとともに、新しい消費者層を開拓し音楽業界の消費拡大に寄与する、としている。
また、「myspaceCD」に登録された楽曲、アルバムの中から定期的に実店舗にも流通する CD を制作・販売し、同サービスを「新人アーティスト発掘」オーディションとしても機能させることにより、アマチュアミュージシャンのプロデビューをサポートしていくという。
この仕組みでインディーズシーンでの音楽流通は盛り上がっていくのでしょうかね?これまでレコード会社のオーディションなりデモテープを送って見いだされるようなケースではスカウトされた訳ではないので、申込者のほうが劣勢で契約するケースが多かったと思うのですが、インディーズでそれなりの実績を持っているバンドがメジャー契約するときには、ド新人よりは契約条件は良くなるわけです(あくまで幾分かのレベルであっても)。
現代においては、わたしが20代の頃より音楽を聴いてもらうチャンスだけは莫大に増えていますが、ライブのチケットを買っていただくまでには別の種類の努力が必要で、「myspaceCD」とかで仮にそこそこCDが流通しても実際にそれでご飯を食べていけとこまではかなりの難関と思われ、音楽の流通がCDからオンラインや携帯という世界に変化しつつも、ビジネスのとっかかりのところ『自分達に有利な契約を勝ち取るための音楽性、動員実績、カリスマ性なり交渉能力』は相変わらずなのかな~と考えさせられたのでした。
今日のエントリの冒頭で、この時代に今のようなネット社会が出来上がっていたらどんな違いがあったのかな~?って思うことがしばしばありますと書きましたが、「myspaceCD」のシステムの利用については著作権関係の処理がどうなるのか、自分の楽曲利用について何かしらの制限が課せられるような条項がないかどうかをちゃんと調べてから利用すべきだろうなと思います。
って、この辺も投資に関しての契約交渉と似たようなもんですかね?(苦笑)