プロが執筆・編集の信頼性でWikipediaに対抗って、まだそういう張り合い方ですか!?
昨日はYoutubeに対抗してるとか、してないとかって話でしたけど、今日は信頼性でWikipedia対抗というお話(苦笑)
朝日新聞社と講談社、小学館、朝日新聞出版、ECナビの5社は、人名や時事用語など約43万語を無料で横断検索できる辞書サイト「kotobank」(コトバンク)を4月23日に正式オープンする。「信頼性の高いNo.1用語解説サイト」としてWikipediaに対抗する。
朝日新聞社の「時事キーワード」「百科事典マイペディア」、朝日新聞出版の「知恵蔵2009(07年に休刊した『知恵蔵』のWeb最新版)」「朝日日本歴史人物辞典」、講談社の「デジタル版日本人名大辞典」、小学館の「デジタル大辞泉」など、44辞書・計約43万語を横断検索できる。
中略
ネット上にはWikipediaのようなユーザー参加型無料辞書サイトがあり、Web検索からもさまざまな情報が得られる。新サイトは、プロが執筆・編集した信頼性ある情報のみを掲載することで、Wikipediaや検索サイトと差別化。「信頼性の高いサイトを構築する」と朝日新聞社の大西弘美デジタルメディア本部長は話す。
なんで未だにこういう張り合い方になってしまうかな~~~というのが正直なところだったりするのですが、ちなみに先日紹介した増田悦佐さんはこんな事書いてます。
世界中を見渡しても、日本くらい知識人と大衆とのあいだの知的能力格差が小さい国はない。
しかも、知的能力格差はほとんどないのに、知識人は自分達が若いころに習い覚えた当時は最新流行だった学術知識を、後生大事に頭の中に詰めこみっぱなしでいるケースが多い。
中略
日本に知識人階級はすでに存在しなくなっていることをいさぎよく認めて、知識人という自己認識を捨てて大衆の仲に溶けこんでいくしことでしかないだろう。
こちらの文章は、日本の知識人がなぜ自国の悪いところばかり誇張し、外国の良いところばかりを賛美しまくるのか?という指摘で書かれているのですが、なんとなく今回のネタのところにもバッチリはまる感じがするのでした。
意地悪を書く気はないのですが、やはりサイト運営者側がWikipediaに対してより信頼性ということで対抗するという事ですとユーザ側としてもどうしても比較目線で見てしまうのは致し方ないところということで関係者の方がご覧になっていた場合には勘弁いただきたいと思うのですが、
ちなみにこちらのサイトで人気キーワードになっていた「朝日新聞」で検索してみたところ、複数辞書からの結果が出てくる点は便利かもしれないですが、これってYahoo!とかで普通に使える機能ですし、百科事典マイペディアの解説として出てくる情報量はWikipediaとは比べ物にならない印象(※ただし「kotobank」(コトバンク)さんは用語解説サイトという位置付けのようなので「朝日新聞」のような検索語句自体が比較対象として不適切な可能性あり)
それと一定の責任の回避という点で表記はしょうがないとしても、
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
↑この表記を水戸黄門の印籠のようにかざしてしまうことで、「信頼性の高いNo.1用語解説サイト」という看板に傷が付きかねないというか、対抗相手はクリックひとつで変更履歴が参照できる訳で、最低限その解説を記述した時期がいつだったのかは表示していく方向性が必要となるのではないか…と感じたのでした。
それと、この手のサイトはやはりサイト内検索エンジンがどれだけ使い勝手が良いか?もしくは関連する気づきを与えてくれるか?などがとても重要になると思われ、この点については是非今後機能のアップデートをお願いしたいものだと感じたのでした。
最後に検索結果には一応Overture社によるWeb検索の結果も表示されるのですが、前述「朝日新聞」ではWikipediaへのリンクは以下のような順位になっていて、微妙な違いが面白いです。
- Overture社:8位
- Yahoo!検索:6位
- Google検索:3位
ちょっと普段にくらべ辛口なエントリになってしまいましたが、「kotobank」(コトバンク)さんには用語検索の定番サイトとして多くの人に認知・利用してもらえるよう頑張っていただきたいと思います!