宋 文洲氏の日本には「テレビカメラの前でウソをつくと起訴できる」法律はないはずという主張が?
宋 文洲氏のメルマガは8万人の読者を抱えているとのことでオルタナブロガーやオルタナブログの読者の方々もこちらのメルマガを受信されている方は多いのでは?と推測します。
3月19日に配信された「宋メール:今週も「バンキシャ!」に出る」についてはその後読者の方々からの反響がコメントとして書き込まれており、その大半はタイトルに用いた宋氏の主張がおかしくないか?というものです。
宋氏の主張は、
「テレビ取材にウソをついたことで逮捕」。このニュースをみた時、私はショックを受けました。「真相報道バンキシャ」のコメンテーターとして自分も本当のことを言わなければ逮捕されるかもしれないからです。
「テレビカメラの前でウソをつくと起訴できる」。日本にはそんな法律はないはずです。確かにわずかな謝礼のためにウソをつくなんて人間としてモラルが低すぎます。しかし、インタビューへの「答え」は「証言」ではありません。報道も裁判ではないのです。北朝鮮に関するインタビューは全部裏が取れていると思いますか?誰も気にしないでしょう。
インターネットや噂話の中でウソは塩と水のように日常的になっている今、「ウソをいったら逮捕する」ならば、日本中に刑務所を新設しないと間に合いません。もし「テレビだから、役所だから」という理由で逮捕されたならば、日本の法律の平等性がウソになります。
この理不尽の裏に「テレビは正しくないといけない」というウソも隠れているのです。テレビ制作側がウソをついてはいけませんが、普通の人々が商売としてやっている仕事だから「やらせ」でなければ、その先がウソかどうかを確かめる能力も義務もないと思うのです。
このようなもので、この後。「テレビも言っていた」と、恰もテレビが本当のことをいっているような考え、あるいは本当のことを言わないといけない考えこそ、幼稚な考えです。
というようなメディアリテラシーについて言及したかった事が「テレビに正しさを求めること自体、商店に交番を頼むようなものです」という言葉からも推測されるのですが…
今回逮捕された蒲保広被告は偽計業務妨害容疑で逮捕されたという事で報道されており、その逮捕容疑を調べてみると、
業務妨害罪
概要
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の業務を妨害すること(偽計業務妨害罪)。または威力を用いて人の業務を妨害すること(威力業務妨害罪)である。
前者は間接的、無形的な方法で人の業務を妨害する行為を処罰し、後者は直接的、有形的な方法で人の業務を妨害する行為を処罰すると観念的には区別できるが、実際の境界線は不鮮明である。威力の認定に要求される有形力の程度は、公務執行妨害罪の成立に要求される暴行、脅迫よりも軽度のもので足りると解されており、この意味で業務の方が公務よりも手厚く保護されているとも言える。保護法益は業務の安全かつ円滑な遂行である。
↑今回の逮捕については、複数のテレビ局の報道番組に匿名出演したり、情報提供しており、「謝礼ほしさに虚偽の証言をした」と容疑を認めているという事で、わたしとしてはそれ相応の妥当性を感じるのですが、この点についてももしかすると警察が流す情報をそのまま報道しているという記者クラブの弊害などはほんと長年語られることですので、そのまま情報を鵜呑みにするな、という指摘をしたかったのだろうな…と感じるところもありますが、
テレビ取材で(最近は掲示板などにおいても)虚偽の発言を行い、他人様に迷惑をかけ、相手先の業務に支障を出してしまった場合に、日本においては「偽計業務妨害」という罪で逮捕される場合がある(法律がある)のだと私は思うのですが…
とにもかくにも、宋氏がメディアリテラシーの重要性をこのメルマガで伝えたかったのだとするとどうも表現(事例の取り上げ方)が適切ではなかったのではないか…と感じた次第です。