ノーベル賞:日本の文科省は研究当時の国籍で受賞者数をカウント、ちなみに賞金は非課税
高橋さんの10月10日のエントリー「【あ、間違いだ】今年のノーベル物理学賞受賞は日本人2人、アメリカ人1人が正しいですよね。 」についてもしかすると他の方が後追いで書いているかもしれませんけど、気になった記事があったのでアップしておきます。
この受賞者の国籍の取り扱いについて、なんでも文部省は表彰対象となった研究をしていた当時の国籍は日本だから、日本人3人という見解のようです(苦笑)
ノーベル賞:南部陽一郎氏は米国人に…文科省「苦肉の策」 - 毎日jp(毎日新聞)
国別受賞者数について、文科省は受賞時の国籍を原則に算出してきた。南部氏の受賞決定を受け、対応を検討。出生国で数えると、移民の多い米国の受賞者数が大きく変わることから、原則を維持することにした。
文科省は「現在の国籍上、日本国民とはいえない。だが、業績を挙げた時点の国籍は日本だ。心情的にも日本人としてお祝いしたい」と説明し、日本人受賞者の業績紹介などで南部氏も加える。
日本に嫌気が差して研究拠点を変えた人が受賞したときにどういうすったもんだが起きるのかが非常に興味あるところだったりするのですが、世界の国々ってそれぞれに独特の考え方というか、特徴ありますよね。
Newsweekの10月22日版によると、ノーベル医学生理学賞を「2人受賞でも怒るフランスの事情」として伝えています。
HIVを発見したとされるフランス研究者二人バレシヌシさんと、モンタニエさん、この正式な発見者を巡ってはアメリカのギャロさんって方との間で87年に共同研究者とするまで論争が続いていたのだそうで、今回の受賞はフランスの人2人だけでさぞやフランス国民は喜んでいるかとおもいきや、今回は子宮頸癌を引き起こすウイルスを発見したドイツ研究者にも同賞と賞金が分けられたことで怒っている人たちがいると報じているらしいです。ここからは記事本文を引用します
人類の1%が感染する病気を発見した2人が25%ずつの賞金で、よりマイナーなウイルスの発見者が50%なんて、というわけだ。
フランスとドイツの国家的な事情によるものが起因しているのか、文中にあるような貢献度が考慮されていないのかが問題視されているのかはの文章単体からはわかりませんけど、やはり世界の人々の考え方は様々なんだなと痛感。
そして賞金の分配の話が出てきましたので、こちらのノーベル賞の賞金は課税対象なの?って記事を最後に紹介しておきますね。
ノーベル賞:賞金の税金は? 賞によって、国によって違う - 毎日jp(毎日新聞)
ノーベル賞には、化学賞をはじめ、平和、文学、医学生理学、経済学賞の6分野あって、経済学賞はスウェーデン中央銀行の創立300年を記念して1968年に設けられたもので、ノーベルの遺言で1901年に創設された5部門とは成り立ちが違い正式名称も「アルフレッド・ノーベル記念経済学銀行賞」といい、5部門の賞金はノーベルの遺産を原資に運用する「ノーベル基金」から支払われるが、経済学賞だけは同行の基金から払われるのだそうですよ。これってクイズ好きとか豆知識好きな人には結構受けるネタなのでは?って思います(笑)
課税対象かどうかって言う点については、世界各国で対応の違いがあるようで、記事を引用しますね、
49年にノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士は約3万ドル(当時の為替レートで約1080万円)の賞金を受け取った。日本人初受賞にわいた国民から「賞金に税金をかけるべきではない」との世論が巻き起こり、翌50年に所得税法が改正され「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」は非課税となった。
ところが、米国ではノーベル賞の賞金は課税対象だ。今年の物理学賞の賞金約1億4000万円は南部氏に半分、小林氏と益川氏に残りの半分が贈られるが、国内で研究活動をしている小林氏らには課税されず、米国籍で米国で納税しているとみられる南部氏には課税されることになる。化学賞の下村氏(米国在住)も課税されることになりそうだ。ただし、賞金が直接、政府機関や慈善団体に寄付されるなどの条件を満たせば非課税になる。
また、日本の所得税法で非課税となるのはノーベル基金から支払われる賞金だけで、スウェーデン中央銀行の基金から支払われる経済学賞は課税される。
経済学賞の創設は68年で、非課税規定が設けられた時点ではまだなく、現在に至るまで日本人の受賞がないため、あまり議論にもなっていないらしい。
日本人初受賞にわいた国民から「賞金に税金をかけるべきではない」との世論が巻き起ったんですね、、、、実際に誰が言いだしっぺなのかは知る由もありませんが、研究されている方々にしてみると、「【あ、間違いだ】今年のノーベル物理学賞受賞は日本人2人、アメリカ人1人が正しいですよね。 」の高橋さんが付けられたコメントにあるように、どうして研究や学問の分野で、日本は最適な環境を準備できないんでしょうね?という点のほうが問題だったりするのだろうと、まったくのドシロウトながら思ったりしたのでした。